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MiG-15 vs MiG-15UTI | 還暦記念 原点回帰検証 KP 1/72 |
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還暦を迎えた2018年、自分の模型ライフの一里塚として何か記念になる作品を作ろうと考えました。現存している自分の最古の完成品は1987年(2018年の31年前)に作った
KP1/72MiG-15 です。そこでその姉妹キットの KP1/72MiG-15UTI を作って原点回帰すると共に、この31年間の自分の変化(進歩/退歩?)を確認することにしました。ここではその2作品の出来栄えを比較検証します。 |
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左側 : KP 1/72 MiG-15 完成日 : 1987年3月(日付不明) 当時年齢 : 29才 |
右側 : KP 1/72 MiG-15UTI 完成日 : 2018年11月11日 当時年齢 : 60才 |
上写真2枚、全体写真ですがこのアングルだとパッと見あまり変わりませんね。飛行機や模型のことを知らない人が見たら見分けが付かない可能性すら有ります。強いて言えばUTI の方がパネルラインがはっきりしていてメリハリが効いている程度でしょうか。あと銀の色味が無印(左側)がややギラついているのに対し、UTI の方が落ち着いています。これはトップコートの艶の違いです。 |
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機首からコクピットにかけて。ここで見るべきは「左右胴体の接合線が十分消えているか」と「キャノピーと胴体間にすき間は無いか」の2点です。まず接合線ですが、キャノピー前方の車で言えばボンネットに当たる部分、ここは両キットとも少し段差ができる場所なんですが、上写真で見ると両方ともまあまあ面一に仕上がっていて大差有りません。キャノピーと胴体の合わせは両方ともすき間は埋まっているけれど、無印の方が少しガタガタしていますね。 |
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胴体中央部と主翼の付け根です。UTI のリベットが無印に比べてだいぶおとなしくなっていますが、これはキットがそうなっていたためで自分で手を加えた訳ではありません。主翼パーツは両者共通だけどUTI は金型が摩耗していたのでしょうか。胴体頂部に目を移すと、合わせ目が消えている代償としてリベットとパネルラインが途切れているのは両作品同じ。しかしUTI は墨入れで薄っすらとラインを描き足してごまかしています。また、修正工作の一つの山だった主翼の付け根は両作品とも模型を知らない人が見れば接合位置が分からない程度に出来ていて差はありません。 |
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翼端のクローズアップ。前縁や端部に出る上下の合わせ目消しは両作品とも大差なし。銀トーンの塗り分けはUTI の方が実感が有り、メリハリが効いています。動翼の筋彫りは凹なんだけれど、無印は凹筋彫りにさえ墨入れしていません。この様に無印は一切墨入れなし、UTI は凸モールドにも墨入れ、これが両作品間の最大の差です。 |
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排気口から垂直尾翼にかけて比べます。パネル毎のトーン変えの手数(てかず)は同じだけれど、色調のセンスが変りました。UTI の方がより現実味があると思うのですがどうでしょう? また、UTI の方がしっとり落ち着いた感じがします。 |
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最後にもう一度全体を俯瞰した写真で比べます。詳細写真で見て来た様に、工作技術とか個々の塗装技術では29才時点と60才時点で大差有りませんでした。31年経っても技巧面は進歩していません。まあこれは退歩していないだけマシと思った方が良いのかも知れませんね。しかし全体で見ると、29才作はギラギラして模型然とした出来なのに対し、60才作は少しは落ち着いている様に感じます。これは31年の間に沢山のモデラーさんの作品から大いに勉強させてもらったのと、年取って作風が丸くなったから・・と言うことにさせていただき、このコーナーを締めたいと思います。 |
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