![]() |
MiG-15 | |
![]() |
KP 1/72 MiG-15 | 完成日 1987年 3月(日付不明) |
MiG-15 実機について MiG-15は1950年の末、朝鮮戦争で中国義勇空軍機として姿を見せ、世界を驚かせました。当時最先端の後退翼を装備した高速機で、アメリカは急遽やはり後退翼装備の最新鋭機 F-86を派遣することになります。このようにMiG-15は、西側に比べて遅れていると見られていたソ連ジェット戦闘機を一躍世界のトップレベルにまで押し上げたと言えるでしょう。しかし、MiG-15は一夜にして突如出現したわけではありません。まずその機体形状が大戦末期のドイツの計画機Ta-183に似ていることを指摘する人は多いと思います。たしかにソ連はドイツの航空技術に関する資料を膨大に持ち帰りました。その上で独自の研究を重ねMiG-15に結晶させたのだと思います。たとえば後退翼で問題となる翼端失速を防止する境界層制御版の発想などはソ連オリジナルと言えそうです。しかし、ことエンジンに関しては全くお手上げ状態だったようで、MiG-15が装備しているRD-45ジェットエンジンはイギリスから輸入したRR(ロールスロイス)ニーンのコピーです。当時ジェットエンジンで世界をリードしていたのはイギリスだったんですね。 |
|
|
|
当時記 東西冷戦がまだ終わっていない1983年、私はKPのキットたちに初めて出会いました。見慣れた国産や西欧諸国製のキットとは明らかに異なった雰囲気を持つパッケージの隅には英語で「Made in Czechoslovakia」と書かれていました。当時は「チェコスロバキア」という東欧の一国が存在したのです。冷戦終結後チェコスロバキアは「チェコ」と「スロバキア」に分かれてそれぞれ独立国家となりますが、その後購入したKPのキットには「Made in Czecho Republic」と書かれていますので、KPはチェコ側の会社だったと思われます。1983年当時、東欧製の模型が大量に輸入されるはずもなく、貴重品扱いで値段も高かったことを覚えています。しかし、当時普通に手に入るメーカー製ではソ連機のまともなキットがほとんどなく、駆け出しソ連機ファンの私は大喜びで購入しました。その後しばらくは自分の宝物として大切に保管していましたが、4年後の1987年正月に着工,同年3月に完成しました。ちなみにこの作品が現存する私の最古の完成品です。 |
|
キットについて [KP 1/72 MiG-15] : このキットは開封して一目見たとき「これはイケてる!」と思いました。いや冗談抜きで。なにしろそれまで私が作って来たキットは、AIRFIX 1/72 MiG-15,ハセガワ1/72 MiG-17,同 MiG-21,エレール1/72 MiG-21 などで、(知っている人は解ってくれると思いますが)どうにも実機に似ていない、雰囲気の悪いキットばかりだったからです。それに引きかえこのKPのキットは組み立てなくても実機に似ているのが判りました。モールドは凸ですが実機に忠実そうなパネルラインと精密なリベットが再現されており、実機を十分にリサーチして作られたに違いありません。バリが多い,部品の合いが悪い,取り付けガイドがいいかげんなど、欠点も多いですが私に言わせればそんなものはこのキットの価値に影響しません。貴重な文化財の一部が壊れていても価値は下がらないでしょ?(ちょっと言い過ぎか・・)ただし、合わせ目を消す時にせっかくの凸モールドを消さないようにするのは至難のわざです。この辺は慎重に作業しながら自分の中で妥協点を見つけるしかないでしょう。完成してみるともう完璧にMiG-15の勇姿が再現されます。これを作ったおかげでそれまでに作ったものが「こんなのスケールモデルじゃないっ!」と思えて来て、みんな捨ててしまいました。従ってこのMiG-15が現存する私の最古の作品となったわけです。 |
|
この作例の製作記はありません。 |