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MiG-17PF | |
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KP 1/72 MiG-17PF | 完成日 2004年 7月25日 |
MiG-17PF 実機について MiG-15は各型合計13,000機も生産された傑作機ですがまだ改善の余地がありました。ひとつは飛行性能の更なる向上、もう一つは全天候能力の付与です。飛行性能の方は主翼を新設計のものに変えることを主とする空力的改善によって達成され、これがMiG-17の初期型として生産に入ります。一方の全天候能力の方はMiG-15の時からレーダーを搭載した試作機が複数作られ、テストが繰り返されていました。当時は戦闘機搭載用レーダーの黎明期で、それなりの能力を持ったレーダーは大きくて重く、操作も複雑でパイロットの他に専用のレーダー手を必要としたため単座の小型戦闘機には不向きでした。そんな中登場したイズムルードレーダーは探知距離は貧弱ながら自動追尾能力があり、パイロットが機体を操縦しながら操作することができたためこれをMiG-17に搭載することになりました。この機体はMiG-17Pと呼ばれ、ソ連初の単座全天候戦闘機となります。MiG-17PFはMiG-17Pにアフターバーナー付のVK-1Fエンジンを装備した後期型です。イズムルードは探知距離12Km、自動追尾距離2Kmとされ、今(21世紀)の目で見ると能力不足かも知れませんが次のMiG-19でも使用され、ソ連では一時代を担ったレーダーでした。 |
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当時記 このキットを入手したのは1980年代前半で、たぶんKPのキットが日本で出回り始めた最初のころではないかと思います(違うかも知れませんが)。当時は東西冷戦の末期とは言えまだ鉄のカーテンが健在で、チェコスロバキア製のキットを持っているというだけでドキドキしたものです。模型とは言えあまりに正確な形状故、「これ軍事機密漏洩じゃないのかな?」なんて思ったりして。今考えてみれば1980年代と言えばすでにMiG-31やSu-27が就役し、MiG-17なんて博物館にしかなかったと思われ、いささかオーバーな心配だったわけです。しかしこんなに正確なソ連軍用機の模型が日本の一般人の手に入るようになったことは、来るべきソビエト連邦崩壊の序曲だったのかも知れません。 |
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キットについて [KP 1/72 MiG-17PF] : KPは世間での評判はあまり良くありませんが、私はKPが大好きです。とにかくプロポーションが正確で実機の雰囲気が良く伝わって来る・・大規模な改造や修正ができない私にとってはこれが第一優先なのです。前縁後退角45度の内翼と2段後退角をなす外翼,円形に整形された翼端,胴体の太さ/長さと各翼の絶妙なバランス・・MiG-17の形は単純そうに見えて案外模型化が難しいのですが、このKPのキットはまず合格点でしょう。ただし多少ガッシリした方向にデフォルメされていますが、おかげでPFの力強い雰囲気が良く出ています。モールドは凸でパネルラインと細かいリベットが機体全面にほどこされています。これがウザイという意見が多い様ですが、パネルラインは実機の雰囲気が良く出ているしリベットもマッハ2級の超音速機ならいざ知らず、MiG-17程度の機体ではレシプロ時代との技術の連続性が窺えて良いと思います。動翼とエアブレーキはきちんと凹でモールドされており、実感十分です。毎度問題になるのは各部の合いで、あちこちにすき間や段差ができますが、他のKPキットと比べるとこのMiG-17PFはまだ良い方ではないでしょうか。ただしキャノピーと胴体は全く合わず、蟻が這い出るほどのすき間ができるので、ここはネチネチと修正する腕の見せ所です。最後になりましたが、このMiG-17PFが出戻り2作目です。まだまだ勘が戻ったとは言い切れませんが、一応自分では満足しました。 |
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この作例の製作記はありません。 |