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フィギュアのスケールは様々で、小は1/350から大は1/4くらいまであります。しかし小スケールのものはジオラマアクセサリーとしての使用が主で、フィギュア単体として鑑賞するには1/20より大きくないと小さくて良く見えません。一般的なサイズは1/12でしょうか。女の子フィギュアの場合、1/12だと全高13cm程度で手ごろな大きさです。飛行機模型出身の私にとってはフィギュアの1/12は飛行機の1/72に相当する感覚で、たくさん作ってコレクションするのに向いています。一方飛行機で1/32に代表される大スケール品は大きさを活かし細部まで作り込んで単品で存在感を示す作品となります。これに相当するフィギュアのスケールは1/6です。2019年7月からフィギュアを始めて約1年、1/12を5体塗り上げたところで今回大物
1/6フィギュアにチャレンジしました。 |
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そうは言ってもいきなり 1/6レジンキットに手を出すのは敷居が高かったので、昔買ってずっと押入れの奥に仕舞ってあった 1/6PVCフィギュアをリペイント(塗り直し)することにしました。SUB-ZEROというメーカーの、商品名
JYOSHI-KOUSEI、ルーズソックスを履き、ぺちゃんこの学生カバンを持った平成初期の女子高生です。画像上↑が初期状態、下↓がリペイント後の姿です。 |
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リペイントのポイントは何と言っても素肌の表現です。これに7割の労力をつぎ込みました。あとはシャツとルーズソックスの白のグラディエーション付けと前髪の改造が主な変更点です。ここでPVCに塗装する場合の注意点を簡単にまとめておきます。PVCフィギュアに使われている軟質PVCには素材を柔らかくするための可塑剤が大量に含まれています。可塑剤は長年に渡り素材の表面に染み出して来るので可塑剤に侵食されないPVC用の塗料を使うのが大前提です。それ以外の塗料、例えばエナメルを塗ると可塑剤と反応してベトベトになり永遠に乾きません。ラッカーは乾きますが徐々に可塑剤が浸透していずれテカテカになります。今回は素肌以外は元々塗ってあったPVC用塗料の上にラッカーと油絵具で塗ったので異常ありませんでした。問題は素肌部分です。ここは元々は無塗装の成形色だったので、本来ならまずPCV用の肌色塗料を塗って可塑剤を封じ込めるべきところ、それをしないでラッカーと油絵具で仕上げてしまったので、真夏の暑い日が何日か続いた後にテカテカになりました。秋に入って涼しくなってから艶消しトップコートを掛けて落ち着きましたが、また次の夏にはテカテカになってしまうでしょう。 |
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塗装の技術的な話はこのくらいにして作品に戻りましょう。平成初期の女子高生と言うことで、顔を塗り直す際、自分の嫁さんの高校時代の写真をモデルにしました。薄っすら似ましたが、実物はこんなに美人ではありません。自分では清楚な感じに塗ったつもりなんですが、所属している模型サークルのメンバーからは色っぽいと言われました。そう見えるのは口を開けているのと襟元が空いていて首が長く見えるせいでしょうか。上写真右は1/12との比較です。やはり1/6は大きくて存在感が違います。今のJKフィギュアのスケールの主流は1/12や1/20だけど、1/6のキットが続々出て来る様になれば飛行機模型の1/32みたいな感じで作り甲斐があって楽しいと思います。
それではお待ちかね、サービスショットのコーナーです。 |
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今回はリペイントですので元の完成品を一度バラバラに分解しました。するとスカートが丸々一つの独立したパーツだったので、再組立ての際、接着しないで着脱式にしました。ただし、スカートはゴム製でかなり厚みが有ります。当然スカートを着けた状態で適切な外観となる様に作ってあるため、スカートを外すと下半身が細過ぎです。 |
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今回頑張った素肌の表現、上右のアップ写真で血管が描いてあるのが見えますでしょうか。写真では見え難いですが実物はもっと血管が浮いています。もう1層肌色を掛けても良かったかも知れません。肌のテクスチャーもそこそこ上手く行ったので自分ではまあ満足しました。この
1/6フィギュア初体験、色々得るものが有りました。作りながらノウハウをたくさんメモしたので次回作に活かしたいと思います。
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