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BOXア-トは滑走路の一角で待機中のYak-1000、高速飛行実験機です。ヤコブレフ得意の自転車式降着装置と極端に小さいデルタ翼、およびその翼から松葉杖の様に突き出た補助輪が印象的ですね。よく見るとコクピット内にはパイロットが乗り込んでいるので、これから地上滑走テストを始めるところなのでしょうか。絵の成り立ちは機体のアウトラインに狂いがないのと、背景の草原がデジタルア-トっぽいことからCGを基にしていると思うのだけれど、あくまで私の主観なので証拠が有るわけではありません。構図は機体の左舷前方からほぼ機体と同じ目の高さで眺めたもので、円形断面の葉巻の様な胴体を良く描写しています。また、ヒヨコの羽の様に頼りない主翼が胴体中央から生えている様子が良く分かるし、三角定規の様な垂直尾翼も印象的で実機の特徴がきちんと伝わって来て、その点良く出来た箱絵だと思います。
ところでこのYak-1000は実用化を目指して試作されたものではなく、高速飛行に適した翼形や機体構成を実証するための実験機でした。実際に作られた機体は1機だけで、しかも地上滑走の段階ですでに安定が悪く、結局1回も飛ばなかった様です。つまりアイテムとしてはマイナ-の極みであり、そんな機体がレジンやバキュ-ムではなくてインジェクションで出たとは驚きです。もう本当に実機のネタ切れで、飛ばなかった機体でも何でも、1機でも作られたものはキット化される時代に突入したのでしょうか。何年か経つと、計画だけで終わった機体が続々キット化されるなんてことになるのかも知れません。例えば日本の富嶽などはすでにキット化されていますよね。ある意味期待が膨らみます。
さて、中身は同時期に発売された同社のYak-140と同様にMODELSVIT製品の標準的な出来で、正確そうなアウトラインと精巧な小部品が素晴らしいです。恐らく合いも良いでしょう。同社製品共通の弱点として、筋彫りは凹だけど浅いため増し彫り必須です。その他は特に気になる点は有りませんが、敢えて挙げれば胴体接着時にすでに車輪を組み込む仕様になっているので、工作途中での折損や塗装時のマスキングに気を遣うかも知れません。
部品点数 59
デカ-ルは箱絵の機体1種のみですが、コ-ションデ-タや機首のアンチグレアも入って充実しています。実機は1機しか作られなかったはずなのに、なぜか2番の文字が尾部に入るのが不思議です。
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