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BOXア-トは雪原の飛行場を飛び立って行くYak-7UTI、ソ連軍練習機です。このア-トを見て最初に感じた印象は、「ちょっと暗くて冷たい感じ」というものでした。そう感じる原因は空の青が濃すぎるためだと思います。青空なので天候は晴れのはずですから、もっと陽光溢れる明るいタッチにできなかったのでしょうか。考えるに地上が雪原で白く明るいため、空も明るくしてしまうと地上と空の区別がつき難く、絵として成り立たないのかも知れません。さらには中央に描かれた機体が白い冬季迷彩のため、機体を目立たせるには明度と彩度のコントラストが必要で、結果背景の空が濃い青になったとも考えられます。また、冷たく感じるのは雪原が空の青を反映して水色に染まっており、地平線の森も深い青で、背景全体が寒冷色で埋め尽くされているためでしょう。まあソ連の冬は実際にとても寒いでしょうから、これはこれで良いのかも知れません。ところで主役の機体は前後席ともキャノピ-が開けられ、練習生と教官が2人そろってこちらを向いています。それを拡大したのが下の画像ですが、2人ともとても優しい顔をしていて、これは明らかに女性ですね。Yak系の機体は当時の他の機体(MiGやLa)に比べて操縦し易かったので、多くの女性パイロットがYak機で活躍した史実があります。この絵はそんな背景を基に女性パイロットを描いたと思われ、全体に冷たい感じの絵の中で一息つける暖かな味わいとなっています。

VALOMは1/72のYak-7をサブタイプ違いで多数キット化していて、私の調査では2016年現在で6機種出ています。いずれも左写真・箱絵直下の大判ランナ-が共通で、後は主にレジンパ-ツの入れ替えで各サブタイプに対応する構成です。ところがこのYak-7UTIには専用の胴体パ-ツが入っていました。大判ランナ-に付いている胴体との違いは側面の筋彫りとキャノピー取付け部の切り込みが長いこと。普通のメ-カ-だったら筋彫りの違いは無視し、キャノピ-の長短はモデラ-が自分で胴体を追加工する仕様にすると思います。そこをわざわざ別パ-ツの胴体を入れたところにVALOMの意気込みを感じて好感が持てます。
部品点数 54 (エッチングパ-ツ含まず)
デカ-ルは冬季迷彩用と夏季迷彩用の2種類セットされています。どちらも地味ですが練習機ですからまあこんなものでしょう。
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