ウィスキーロングビン級 制作記
PIT ROAD 1/350

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完成品展示
KIT REVIEW

定年退職して2年目の2019年、潜水艦3作目に着手しました。私のレジンキット初体験です。初心者のレジンキット奮闘記をご覧ください。

☆  ☆  ☆    基 本 工 作    ☆  ☆  ☆

レジンキットを作るのはこれが初めてです。今までプラキットの補助として付いている小規模なレジンパーツを使ったことは有りますが、本体まで全部レジンのキットは初めて。このキットのパーツ数は展示台と金属製の潜望鏡類を除くとわずか8個だから、レジンキット初挑戦には手ごろかも知れません。

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レジンキットでまず始めにやることは離型剤落しだということは知っていたので、ファインモールドのご機嫌クリーナーを吹きかけ、歯ブラシでゴシゴシこすりました。続いてゆでました。ゆでる理由はいくつか言われているけれど、私は「樹脂の中に封じ込められているガスを抜く」説を支持します。ゆでている最中に観察しているとパーツ表面から気泡が沸き出し、辺りに樹脂っぽい匂いが漂うからガスが抜けているのは本当だと思います。

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ゆで上がったパーツをしばらく眺めた後、まずはレジンの工作性や表面処理の感覚を掴もうと思って展示台から始めました。上写真左端が初期状態で、ゲートの切断痕が荒々しいのと、あと写真では分かりませんが平らな面にも微小な凹凸が有ります。そこで全体に薄くポリエステルパテを塗り付け、乾燥後にペーパー掛けして平準化しました。どうやらレジンとポリエステルパテの密着性は良好の様です。さらにサフ掛けして最後はラッカーの黒を吹き付けました。表面処理をしっかりやってサフで下地を作ってやれば普通の模型用ラッカー塗料で問題ない様です。
 
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展示台でいくらかレジンの扱い方が飲み込めたので船体に手を付けます。このキットの船体はムクの一体ものなので組立ては有りません。ただし左右割りの型のパーティングラインがくっきり入っていて一部には段差も有ります。そこで見え易い様にグレーの塗料でパーティングラインをなぞってからパテ代わりの瞬間接着剤を乗せ、乾燥後削りました。この段階では一応パーティングラインは消えた様に見えますが、後でサフを吹いて見て消えてなかったらまた削ります。
 
 
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その他小さな舵の類とスクリューがレジンのフィルムに埋まる様に成形されているので取り出し、周囲のバリを取り除きます。これでこのキットのレジンパーツは全て手が付きました。続いてレジンパーツ同士を接着する組立てに初挑戦します。さすがにレジンキットだけあって位置決めガイドなどは有りません。こういう取付けを瞬着一発勝負でこなすのはムリなので今までレジンキットを敬遠していたのですが、ゆっくり固まるゼリー状瞬間接着剤の登場によって私でもレジンキットを組める様になりました。接着後、パーツと船体間に通常の瞬間接着剤(液状)を流し込んですき間を埋め、さらに溶きパテで微調整してペーパー掛けしたところ、普通のプラモデルと同じ様に継ぎ目を消すことができました。

 

☆  ☆  ☆    小    物    ☆  ☆  ☆

基本工作が終わったら小物を片付けます。

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舵とスクリューは基本工作のセクションで済ませたので残る小物は潜望鏡類のみ。キットには直径(Φ)1.0,0.6,0.3mmの真鍮線が入っていて、これらを指定された長さにカットして取付ける様に指示されています。しかし、ただ真鍮線を切っただけでは実感に欠けるので、途中で太さを変えたり先端を一回り太くしたりしてそれらしく演出しました。またΦ0.3は細すぎるのでΦ0.5やΦ0.8に置き換ています。取付け位置は船体側に目印となる凹などは一切ないので、自力で穴を開けなければなりません。作例では取説に印刷されていた通りの位置に穴を開けましたが、実際にパーツを差し込んで見ると、もう少し間隔を広げた方が良かった様です。


☆  ☆  ☆    塗 装    ☆  ☆  ☆
 
基本工作・小物・展示台 が片付いたらいよいよ本格的な塗装に入ります。 
 
 
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ここまでの全体像をUPしておきます。艦首の昇降舵も着いてこれで組立ては終了。この昇降舵と潜望鏡類は着脱可能なので塗装時は外します。塗装はまずはサフからですね。レジンにも使えるプライマーサーフェイサーの缶スプレーを買って来て、上写真の段階ですでに艦尾に試し吹きしてあるんですが、密着も良くまずまず行けそうです。
 

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塗装は船体にいくつかの色を塗り重ね、最後に表層の色を少し削って下層の色をチラっと覗かせる技法で行きます。この技法は前作の潜水艦2作:K-3とK-19でそこそこの結果が出せたので私の作風の標準にするつもりなんですが、レジンで上手く行くかどうかは分かりません。とにかくやって見ます。まず1色目は黒。これが色のベースとなります。続いて下半分をマスキングして上半分に艦底色を吹きました。下層は以上です。
 
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上層の塗装、喫水線から上は軍艦色、下は濃松葉色を吹きます。潜水艦の下半分って普通は艦底色だと思うけど、キットの取説では濃松葉色と指定されています。ネットで調べると確かにそういう色の実物のカラー写真が見つかったので、素直に取説の指示通りクレオスの320番をボトルストレートで吹付けました。続いて上面と下面の境界に白い線を描きます。やり方は、先に0.7mm幅のマスキングテープを線の位置に貼っておき、次に6mm幅のマスキングテープを0.7mmの上下から挟む様に貼ります。6mmを貼り終えたら0.7mmを剥がし、そこに艶消し白を筆塗りし、乾燥後テープを剥がして出来上がり。この方法なら私の様な艦船素人でも比較的簡単に白線を描くことができます。船体本体としてはこれで取説に指定されている色は全て塗り終わりました。しかし、どうも情報量が足りません。もちろんこの先ウェザリングや墨入れをしますが、それだけでは今一実感が不足しそうです。ここは一つ多少のフィックションを取り入れて独自のアレンジをやって見ます。
 
 
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独自アレンジを施して完成。かなりフィックションが入っていますが模型映えはしたと思います。ポイントはベント孔付近の錆表現と上面の一部を明るいグレーで塗ったこと、さらに孔やコーナーエッヂに黒で墨入れして立体感を強調して見ました。終わって見ればキットの素性の良さに助けられて何とかモノにできたと思っています。

 

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