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Be-6 Photo 1
master 1/72 Be-6  完成日 2015年 2月15日

Be-6 実機について
Be-6は第二次世界大戦終結後に開発された多目的飛行艇で、1948年に初飛行しました。動力は大出力の空冷レシプロエンジンを2基装備しています。1948年と言えば飛行機のエンジンがどんどんジェットに変わって行く時代なので、Be-6はレシプロ機の最終世代に属すると見て良いでしょう。当然全金属製で、全長23.5m、翼幅33mと、レシプロ双発機としては異例の大型機でした。それもそのはず、エンジン出力は1基2,300馬力、2基で4,600馬力という大出力。大きな機体に大量の燃料を積んで最大5,000Kmもの航続距離を誇っていました。搭載量にも余裕があるので色々な用途に使え、対潜哨戒を始めとして、対艦船爆撃・機雷の敷設・偵察・輸送など多方面で活躍しました。基本設計が優秀だったと見えて、後継機のBe-12はエンジンはターボブロップに変わりましたが、ガル翼や双垂直尾翼など、Be-6の外形を受け継いでいます。

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当時記
私が所属している模型クラブでは年1回展示会があり、毎年テーマが決められて作品コンペが行われます。2014年のテーマは「古いキット」でした。細かいレギュレーションは忘れましたが、飛行機、AFV、艦船 などジャンル別に「19XX年以前に発売されたもの」という縛りで、クラブメンバーそれぞれ思い思いのキットに取り組みました。そのとき私が選んだのがこのBe-6です。着工は2014年6月29日。展示会はその年の11月なので、私の遅い制作スピードではまず間に合わないのだけれど、展示会へのエントリーをバネに何とかギリギリ滑り込めるかも知れないと思ったんです。しかし、結果は惨敗。展示会の時にはまだ士の字にもなりません。そこで精魂尽きるかと思いきや、逆に締切がなくなった解放感から息を吹き返し、翌2015年2月に完成しました。もし間に合っていたらささやかながら展示会に花を添えられたでしょうに、少し残念です。

Be-6 Photo 4

キットについて
[master 1/72 Be-6] : このキットの初出は旧東ドイツのVEB社と思われ、古色蒼然とした箱絵が印象的です。その後、東西ドイツの統合過程で模型メーカーも再編されたのか、メーカー名とパッケージが変遷しますが金型は変わらないので、中身は一貫して同じです。そんなこのキットは大きい割に部品点数が少ないことで有名で、筋彫りは凸だし、コクピットが塞がっていて内部の再現が皆無など、簡素な造りが特徴です。そうなると徹底的に手を入れて世界に一つしかない完成品をモノにしたくなるのがモデラーの性(サガ)というもの。私もモデラーの端くれなので、できる限り手を入れました。まず筋彫りの凸→凹変換は元の凸モールドがしっかりしているので、なぞって彫ることが可能です。塞がっているコクピットの開口もそれほど難しくはありません。然るに、このキット最大の問題点はエンジンの上下位置と取付け角度です。キットでは主翼から真っ直ぐ水平にエンジンが出て来ますが、実際はプロペラ軸が上を向き、エンジン自体もグッと持ち上がった位置に付いています。この作例ではその修正工作にチャレンジしました。かなり大変だったけれど、私程度の腕でもこの作例くらいには仕上がるので、ぜひお試しください。・・などとこの記事を書いた時点で、トランペッターからBe-6の新キットが発売されることが分かりました。ネットに試作品の写真も載ってまして、それを見る限りもうこの旧キットの出番はなさそうです。まあ私としてはトラペキットの発売前にこれが完成したのがせめてもの救いです。

Be-6 photo 5

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制作記があります。よろしかったらぜひご覧下さい。


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