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I-270 Photo 1
Amodel 1/72 I-270  完成日 2007年 1月13日

I-270 実機について
大祖国戦争(第二次世界大戦)に勝利したソ連は占領下のドイツから、数多くの先進航空技術を入手しました。その中にはロケット動力機も含まれており、特に Me263 は詳細な資料を手に入れた模様です。I-270 は Me263 の技術を基に試作されたと思われ、特に胴体の外観に共通点があります。ただし、Me263 が Me163 と同じ浅い後退角付きの主翼と水平尾翼なしの構成であるのに対し、I-270 は単純な直線翼とT字型水平尾翼の組み合わせになっているところを見ると、ロケットエンジンの技術吸収に主眼を置いて空力的冒険は避けたようにも見受けられます。ドイツのワルターロケットエンジンはそれまでのソ連製ロケットエンジンよりも各段に高性能だったと見えて、ソ連がワルターを参考にして作った新しいロケットエンジンを搭載した I-270 は速度990Km/h、高度18,000m に達し、テストが行われていた1947年当時としては驚きの数値を記録したとのことです。しかしロケットエンジンの燃費の悪さは致命的で、副燃焼室を使って巡航しても滞空時間はせいぜい15分程度ととても実用にはなりません。I-270 も2機がテストされただけに終わり、これ以降ソ連では有人航空機の主動力にロケットを使うことはなくなりました。

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当時記
時は2006年の年末、いつも大変お世話になっている先輩モデラーさんのサイトで、「4日で作ろうAmodel」という企画が立ち上げられました。4日とは、大晦日と三賀日の計4日なんですが、この「4日」と言うのが手の遅い私でもなんとかなりそうに錯覚したのと、「Amodel」というレギュレーションが私のたましいを揺り動かし、参加させていただきました。結局期限内では士の字にサフ掛けが精一杯で、サフ掛けの結果あちこちにアラが発見され、完成したのは2007年1月13日でした。とは言え2週間での完成は自己最高記録です。日頃手の遅い私に奮起の機会を与えてくださった先輩モデラーさんに、厚く御礼申し上げます。とても楽しかったです。良い思い出になりました。(この「思い出」こそ宝物ですかね・・。)

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キットについて
[Amodel 1/72 I-270] : このキットは通し番号が 7212 と、Amodel の初期製品群に属し、ランナー構成からも時代の古さが感じられます。パーツ写真は「私が出会ったキットたち」をご参照願いたいのですが、今(2010年)の目で見れば多少出来の良いレジンキットと言った風情でしょうか。しかし流石は Amodel だけあって、プロポーションはバッチリです。他メーカーからキットが出るような機体じゃないので少し苦労しても作る価値は十二分にあります。ロケット機なので、プロペラも無い、空気取り入れ口も無い、大きな排気口も無い、至極単純な形状で部品点数も少ないですから Amodel 入門用にお勧めの一品です。制作ガイドとしては、機首に重りを入れるスペースが少ないので計画的に重りを詰め込んでください。合わせ目の修正はパネルラインが凹なので凸モールドキットのような遠慮は要りません。気を付けたいのは何でもない平らな面が結構引けているので、銀を塗る前に良く下地を整えて平らにしておく必要があります。あと、取り付けガイドは無いと思ってください。主翼と胴体もイモ付け同然です。

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この作例は2006年末〜2007年始・年越し企画「4日で作ろうAmodel」の参加作品です。
制作記があります。よろしかったらぜひご覧下さい。


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