Il-10 | ||
KP 1/72 Il-10 | 完成日 2010年 9月26日 |
Il-10 実機について Il-10はかの有名な Il-2シュトルモビクの後継機ですが、当初は重装甲戦闘機 Il-1として開発されました。エンジンは Il-2と同系列ながら改良により2000hpを絞り出すAM-42となり、主翼面積の削減、冷却装置の配置の工夫、主脚を完全引込とすることなどにより、Il-2に比べ150Km/hもの高速化に成功しています。当時は Il-2の本来の後継機となるべき Il-8も並行して開発中でしたが、Il-1を複座化して対地攻撃機とする方がより有望とされ、Il-10の名で採用されました。戦闘機型の方は開発している間に戦況が好転し、ソ連の航空優勢がほぼ確立したので開発中止となった様です。そんな Il-10は1945年2月から実戦に参加、わずか数ヶ月間ながら大祖国戦争(第二次世界大戦)の勝利に貢献しました。戦後も生産は続き、一時はソ連攻撃機の主力となりましたが、すぐにやって来るジェット化の波に晒されて旧式化して行きます。朝鮮戦争時、北朝鮮軍が本機を少数運用したもののたちまち消耗。この戦闘が Il-10の最後の戦いとなりました。 |
|
当時記 これを作り始めたのは2009年1月、完成したのが2010年9月の終わりですから制作期間は21ヶ月と大変な長丁場でした。その間、14ヶ月ほど、色々な事情で模型を弄れない時期があったので実質7ヶ月で完成したわけですが、それにしても1/72の単発機に7ヶ月は掛かり過ぎだと自分でも思います。仕事が忙しい時でも気力が充実していればそれなりに進みますが、そうでない時は作りかけの機体をただボーっと眺めて過ごすことも多々ありました。そんな「見るだけモデリング」でも心が癒されて明日への希望が湧いて来るんだから、模型作りとは良いものです。 |
|
キットについて [KP 1/72 Il-10] : 私が入手したキットはKPの旧箱品で、箱の側面と取説に「3」と書いてあります。これがKPキットの通し番号だとすると、3番目に発売された製品ということになり、パーツの雰囲気からしても相当古いキットであることは間違いありません。しかしKPの初期作品に特有の全面凸リベットは無く、代わりに凸ながら美しいパネルラインが制作意欲をそそってくれます。パーツの合いはKPにしては優秀で、小物部品もしっかりしているので組み立て自体はそれほど難しくありません。ただし凸モールドですから合わせ目を修正すると凸のラインが消えます。それをいかに補って行くかはモデラーさんそれぞれの工夫があることと思いますが、この作例で試した方法を「制作記」に書いておきましたので、よろしかったらご参照ください。最後にこのキットのプロポーション(形状)ですが、実機写真と見比べたところ、私の見る限りでは「?(クエッションマーク)」が付く箇所は特段みつかりませんでした。ただキットの翼端が角張っているので、これは戦後に作られた改良型のIl-10M(またはチェコスロバキアでライセンス生産されたB-33)と思われます。この作例の塗装は大戦中の機体なので、翼端を丸く修正しなければならなかったのですが、今となってはもう手遅れです。 |
|
制作記があります。よろしかったらぜひご覧下さい。 |
|
|
|