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基本塗装が終わるとグッと完成に近付きます。しかし、ここから先の工程は失敗すると取り返しが付かないことが多いので、まだまだ半分と改めて気を引き締めました。
仕上げ塗装の取り掛かりは下面から。「キットの凸モールドを活かす」というのが今回のテーマなので、手間を承知で凸モールドに墨入れしました。方法はエナメルで凸モールドをなぞり、はみ出した部分を爪楊枝でこそげ落すという原始的なやり方です。この方法は以前同じKP1/72のSu-7で経験済で、案の定物凄く時間が掛かりました。どうにか下面だけ終わらせましたがもうこれ以上根気が続きません。 |
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下面のエナメルを定着させるため早めにトップコートしなければなりません。何度もコートするのが手間なので上面の墨入れ前の段階でデカールを貼りました。尾翼の2番は換えが無かったのでキット附属のデカ-ルを使ったところ、トップコートで見事に縮れてしまいました。赤星は別売りデカールを使ったので縮れませんでしたが、こちらは表面の凹凸に馴染み難く、マークフィッターでねじ伏せたら何箇所か穴が開きました。結局番号はおおかた削り落として貼り跡を頼りにエナメルで手描き、赤星も随分とタッチアップしています。 |
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下面のエナメルによる墨入れで精魂尽き果てたので、上面はエナメルではなく油採で墨入れしました。油採の黒をペトロールで薄く溶いて凸モールドをなぞり、乾かないうちにはみ出した部分をぼかす様に拭き取って行くと、下の写真のごとく結構良い感じになる事を発見。模型を作り始めてもう何十年も経つけれど、これでようやく凸モールドへの墨入れ方法をマスターした気がします。全くの自己流ですが、この記事をご覧になっている皆様に少しでも参考になれば幸いです。

下面はエナメルによる墨入れの上にさらに油彩を掛けたので、コントラストが強過ぎて劇画風になってしまいました。下面も初めから油彩の墨入れにしておけば良かったわけですが、エナメルの上にラッカーでトップコートしてしまったのでもうやり直しはできません。こういう点が「取り返しが付かない」例と言えます。尚、油彩はラッカーの塗膜を全く侵食しないので、気に入らなければ何度でも洗い落としてやり直しができます。その特性を活かして下面で再生し切れなかったパネルラインは油彩で描き込んであります。
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