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Amodel 1/72 Il-40 改良試作型  完成日 2012年 1月22日

Il-40 実機について
第二次世界大戦で大活躍したIl-2シュトルモビク、その血筋を絶やすまいとするイリュ-シン設計局は戦後のジェット時代においてもIl-2と同じ運用コンセプトに基づくジェット攻撃機、Il-40を開発しました。その初期試作型はエンジン空気取り入れ口の前方に機関砲発射口を配したため、発射ガスを吸い込んでエンジンが止まってしまうトラブルが発生。小手先の対策では後々尾を引くと見越したイリュ-シンは英断を下し、翼付け根付近に開いていたエンジン空気取り入れ口を機首まで延長する処置を採りました。こうして問題を克服したIl-40には量産命令が下り、1956年春に最初の5機がロ-ルアウトしますが、そこで突然生産中止となります。理由は国家レベルでの軍の運用方針変更により、地上攻撃任務が戦術戦闘機部隊に統合されたため。つまり対地攻撃に特化した部隊は廃止となり、その装備機となる予定だったIl-40も不要となった訳です。この様にIl-40は時代の移り変わりに上手く乗れなかった不運な機体ですが、ソ連では西側ほど優秀な戦闘爆撃機がなかなか登場しなかったことを考えると、Il-40が活躍する隙間が少しはあった様にも感じられます。もし量産配備されていたら機首にはどんなマ-クが描かれたでしょうか。

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当時記
2011年の中ごろ、私はこのキットの姉妹キットである Il-40初期試作型(Amodel 製品番号72158)を作っていました。それが士の字になっていよいよ本格的な塗装に入るとき、「まてよ・・ここで改良試作型も作ってしまって2機一緒に塗装すれば効率いいよな・・」と欲が出ました。そのときは夏の暑い盛りでどうもスプレー塗装をする気になれなかったのと、モチベーションが続いている今このときに味の近い姉妹キットを片付けないと、もう作る気力が沸かない気がしたんです。そこで意を決して改良型(このキット)を作り始めました。始めは「秋が終わるころには完成するだろう・・」位に考えていたのですが、象の鼻を2本束ねたような空気取り入れ口の内側の整形に時間を取られたりスランプに見舞われたりして、2011年のクリスマスにようやく組立てが完了。その後は年末年始休暇を中心に精力的に塗装を進め、2012年1月、2機同時完成に漕ぎ着けました。着工から完成まで初期型は8ヶ月、改良型(このキット)は6ヶ月を要しています。

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キットについて
[Amodel 1/72 Il-40(改良試作型)] : このキットのメーカー製品番号は72213で、初期試作型の発売から1年以上遅れ、間に54個もの他キットを挟んでいます。とは言ってもキット内容は初期試作型と同一で、異なるのは機首部分のパーツが付いたランナー1枚のみ。他はデカールも含め初期試作型と同じです。初期試作型と改良試作型の両方をキット化することは最初から計画されていた様子で、胴体のパーツ割りが機首部分を組み換えられる様に分割されています。本来なら同時発売も可能なほどの姉妹キットが1年以上間を空けて発売されたのは、それが Amodel の市場戦略なのか、それとも他に理由があるのか、私には分かりません。ただし、Amodel は結構このパターンが好きで、過去にもYak-17を出してから57キット空けてYak-17UTIを製品化したりしています。マニアが「もうこの型はキット化されないだろう。」と思って自力で改造を始め、完成するころにその型のキットが出てガッカリした・・なんていう話は昔(昭和のころ)は良く聞きましたが、今(2011〜12年)でも新製品をリリースし続けている Amodel 製品では現在進行中の現象と言えるでしょう。

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制作記があります。よろしかったらぜひご覧下さい。


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