TOPへ戻る Il-40 改良試作型 制作記 BOXアート
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前作 Il-40初期試作型が士の字になったころ、「待てよ、ここで改良試作型も作ってしまって同時に塗装すれば効率良いよな・・」と欲が出ました。機首以外は初期試作型と同じパーツなので、直前に作った経験も役立つはず。果たしてどうなりますか・・。

☆  ☆  ☆    基本工作    ☆  ☆  ☆
 
機首部

Il-40改良試作型の変態ぶりが際立っているのがこの機首部です。初期試作型ではサイドインティークだったものを無理やり機首まで延長したため、象の鼻を2本束ねた様な異様な形ですが、キットはそれを見事に再現しています。パーツ構成は上下分割の外形に雨どいの様な内部パーツを2本挟んでダクトを形成する方式で、ダクトの全長に渡って接合線が3本入ります。
 

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  中央にできる三角形の空間は重りを仕込むスペ-スとして十分な広さがあります。 

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このブタの鼻の様な機首が最大の見せ場だと思うので、接合線を丹念に消すことにしました。接合部にはかなりの段やすき間があるため、塗料や溶きパテでは埋め切れないと判断、エポキシパテを塗り込みました。この後内側を面一に仕上げるのですが、これが予想外の苦行となります。
 
ダクト内部の整形は適当な丸棒に耐水ペーパーを巻き付けて研磨して行きます。しかし内側で見難いこともあり、特にダクト中央部はそうそう簡単には平らになってくれません。 

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作業は、一通りならしたら内側に溶きパテを塗り、乾いてからまたペーパー掛けの繰り返しとなりました。一度や二度の繰り返しでは満足できる平滑面は得られず、2週間掛けてようやく妥協できるレベル(右写真)に到達しました。 
 
奥側には長円形に切ったプラ板にタ-ビンブレ-ドを付けたパ-ツを取り付けて機首部の工作は終了。機首前端から覗き込むと奥まで光が入る特定の角度になったときだけ、チラッとタ-ビンブレ-ドが見えました。一応もくろみ通りできたので満足したけれど、時間対効果を考えるともっと簡便な処理方法もあったと思います。

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胴体 および 士の字化工作

機首内側の修正で、溶きパテ塗り → 乾燥待ち → ペ-パ-掛けを繰り返している間、並行作業で胴体下部および胴体上部の組立てを済ませました。これらのパ-ツは機首部より大きいけれど、内面の修正が少ないのではるかに楽です。また、直前に作った初期試作型と同じパ-ツなので、工作の注意点などの記憶が鮮明で効率よく作業ができました。
 

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写真上・右、胴体3パーツ、めでたく合体しました。これでやっと少しは飛行機らしくなるかと思ったのですが、まだまだ誰が見ても飛行機と分かるレベルには到達していませんね。ショットガン(猟銃)の模型だって言えばそうとも見えるしヤマトに出てきたコスモゼロってこんな感じだったような・・(記憶が曖昧です)。

ところで右写真のごとく、機首と胴体上部パーツ間に目立つ段差ができました。底面やエアダクト上面はほぼピッタリなので、機首パーツを上にずらすわけには行きません。ここはひとつこの位置で固めて、右写真の段差を修正するのが正攻法ですかね。・・と言う訳で段差をエポキシパテで埋めました。この部分は必ず段差ができるのか、それとも自分の工作の不手際で段差ができたのか今ひとつはっきりしません。胴体下部パーツに胴体上部を乗せた時、しっくり来ないでだいぶすき間が開く感じだったので、このときのすき間がそのまま段差になった可能性もあります。でも 初期試作型を作ったときはこの部分の段差は気にならなかったから、やはりこのキット本来の問題かも知れません。

垂直尾翼は後付けなので、胴体との接合部の修正は必須です。下面のフィンは初期試作型と改良試作型で微妙に形状が異なりますが、キットではそれが見事に再現されていて好感が持てます。流石はAmodel。
 
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主翼と水平尾翼を取付けて士の字。書いてしまえば簡単ですが当然相応の工数が掛かります。特に主翼の境界層制御板は修正必須です。この辺の工作は初期試作型と共通ですので、よろしかったら初期試作型の制作記もご参照ください。

 

☆  ☆  ☆    キャノピー と 小物    ☆  ☆  ☆

キャノピーの取付けはこのキットの難所です。透明パーツの方が胴体より若干大き目なので、胴体のラインに合わせて削り込んで行くと窓枠のモールドが消えます。初期試作型を作ったときは改造試作型の透明パーツを手元に置いて、それを見ながらツルツルの透明パーツに窓枠を描き込みました。今度はその初期試作型の窓枠を見ながら改造試作型の窓枠を描きます。

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以上で工作は終了し、本格的な塗装に入る準備が整いました。私の制作スタイルはいつも、この時点で小物を片付けます。そうしないといつまでも小物が残るから。このキットの小物類は基本的に初期試作型と同一ですが、機首の変更にともなって前脚庫のカバーだけ異なります。 
 

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その前脚庫カバーですがランナーから切り出す際に折ってしまったのでプラ板で自作しました。単純な長方形だったので助かりましたが、どうもこのキットはプラ質が弱い感じがします。また、機銃の銃身は初期試作型同様金属パイプに換えました。初期試作型ではこの時点で機銃ドームに接着したけれど、これは最後に付けた方が良いと気付いたので、今回は未接着にしています。

さて、改良試作型(本作例)は初期試作型を追いかけて作っていたわけですが、この時点で追い着きました。こういう姉妹キットを作るときは今回の様な時間差制作はなかなか良いやり方ですね。直前に作った記憶が鮮明に残っているので同じ失敗を繰り返さないで済みます。これが同時制作だと両方同じ失敗をするだろうし、一度にこなす作業が倍になって疲れも溜まるしね・・。

ここから先は並行作業で行きます。スプレー器材の準備と後片付けを一度で済ます効率UPがねらいです。

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☆  ☆  ☆    基本塗装    ☆  ☆  ☆

基本塗装はサフ掛けと全面銀、両方ともスプレーで行きます。持ち手は機尾の機銃ドームを接着せず、ここに棒を差し込みます。機銃ドームは塗装終了後に付けますが、この段階で仮組みして十分すり合わせましょう。
 
まずはマスキング。マスクする箇所は透明部分と機首、それに脚収容部です。機首の空気取り入れ口にティッシュを詰める作業は鼻血の治療みたいで思わず笑ってしまいました。次にサフを2度吹きした後、修整し切れていない部分に溶きパテを筆でタッチアップして4時間乾燥させ、2000番のペーパーで仕上げてからさらに3回目のサフを吹きました。続いて全面にクレオスの8番銀をスプレー。サフの仕上げにはずいぶん気を使ったけれど銀を吹いて初めて見えるアラもあって、これで完了とは行きません。このあと手塗りでパネル毎に銀のトーンを変えて行きますが、アラはそのとき個別に対応します。

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☆  ☆  ☆    仕上げ塗装    ☆  ☆  ☆

仕上げ塗装工程はパネル毎のアラ修正と銀トーン塗り分け、およびウェザリングです。ウェザリングには今回初めてタミヤ・ウェザリングマスターを使いました。正確にはこの10分前に初期試作型で使っているので2回目ですが。そしてデカール貼りとトップコート。これら全て初期試作型と並行作業のため、失敗すると共倒れになって今までの苦労が水の泡です。そうならない様ゆっくり慎重に作業を進めますが、それでも2機バラバラに作るよりはるかに効率良いです。

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改良試作型の機銃口は機首下面にあります。この辺の汚しのテクニックはまだまだ修行が足りません。
 

☆  ☆  ☆    完  成    ☆  ☆  ☆
 
最終組立てで取付けるものは、脚,脚カバー,アンテナ類,そして尾部機銃です。塗装は全て完了しているので、取付け接着はどれも一発勝負。簡単そうに見えても油断は禁物です。  
 
 
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このキットの特性かと思いますが脚がグラつきます。脚柱の付け根に瞬着を垂らし込んで根固めしたけれど、機首に相当重りを入れているため強度が心配です。こういう問題は基本工作の段階で取付け基部を作るなり、脚柱を補強するなり、対策しておくべきでした。あと銀の塗膜が全体に少しザラついた感じになってしまいましたが原因が良く分かりません。この2点を除けば満足なので自己評価は星4つです。


本人満足度 ★★★★

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