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Amodel 1/72 La-174TK 完成日 2017年 5月7日

La-174TK 実機について
ジェット機は第二次世界大戦の最末期にドイツで実用化されましたが、戦後は東西冷戦の開始を受けて米ソとも新鋭ジェット戦闘機の開発にしのぎを削りました。従って東西冷戦時代の初期はジェット戦闘機の開発ピッチが異様なほど速く、量産された機体だけでも毎年相当な機種にのぼります。当然その陰には試作だけで消えて行った機体も多かったわけで、La-174TKはそんな消えて行った試作機のひとつです。機体構成は中央下部に排気口を設けた艇型の胴体に直線翼というソ連初期ジェット戦闘機の形式を踏襲。エンジンはイギリス製のダーウェントを搭載していて、機体構成、エンジンともYak-23と同じです。Yak-23と異なるのは翼厚比わずか6%という薄翼を使って高速化を狙った点(TKは薄翼の意)。テストの結果、最大速度はYak-23を50km/h上回り、積んでいる機関砲は3門でYak-23の2門に勝っていました。しかし、決定的だったのは出現時期が遅かったこと。La-174TKが登場した1948年にはYak-23はすでに量産化されており、同じ年に後退翼のMiG-15が登場します。結局La-174TKは艇型胴体に直線翼の形式では最高の性能に到達したものの採用されず、後退翼機に時代を譲って去って行ったのでした。

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当時記

このキットを作る前は「バス停ジオラマ」を作っていて、しばらく飛行機模型から離れていました。2017年1月に「バス停ジオラマ」が完成し、さあ飛行機模型再開、となった時、何を作ろうかちょっと考え込んだんです。というのは当時未着手のキット在庫が400個近くあり、もう一生掛かっても到底作り切れない状況で、これから作るアイテムにどうやって方向性や目標を設定するか考えたんですね。市販されているソ連機キットを全て作るのはもうムリ。でも例えば特定の設計局の機体に絞ったら・・と考えると、ラボーチキン設計局が頭に浮かびました。同設計局は大戦機は大量産されたけれど、戦後のジェット機は少なく、1960年には設計者ラボーチキンの死去と共に設計局も閉鎖されています。滅び行く者への郷愁という点でも私の美学に整合していたので、それからしばらくはラボーチキンの機体を作ることに決めました。当時すでにLa-150、La-15、La-176が完成しており、それらの間を埋めるべく、このLa-174TKを作り始めました。
 

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キットについて
[Amodel 1/72 La-174TK] :このキットは Amodel 製品としては比較的新しく(2017年・記)、パーツで眺めている限りでは合いが良さそうに見えます。しかし、簡易インジェクションキットにガンプラの様な精度を求めるのは所詮ムリな話で、やはりところどころ組み難いです。例えばコクピットパーツはそのまま組むとシートが入らないし、左右胴体の接合も結構な段差ができました。それでも同社の初期製品にあった様な成形の反りや歪みはないので、随分作り易くなっていると思います。しかし、各パーツ、特に小部品の取付けガイドは無いに等しいので、組立てにはそれなりの技能が必要です。これはこのキットの欠点というよりも、簡易インジェクションキットとはそういうものなのではないでしょうか。その代り姿形は相当行けていて、私の様な一般人が普通にアクセスできる実機資料と見比べる限り、実に良く実機の雰囲気を再現しています。筋彫りは Amodel 伝統の凹ですが浅く、接合部の修正工作で所々消えたので、作例では全体に増し彫りしています。機体色、メインのグレーはクレオスの73番。デカールはキットのものをそのまま使いました。赤星が少し小さく感じますが、実機写真を見るとこれで良い様です。
 

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制作記があります。よろしかったらぜひご覧下さい。 


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