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MiG-3 Photo 1
ITALERI 1/72 MiG-3 完成日 2006年 5月14日

MiG-3 実機について
1939年、ソ連ではそれまでの主力だったI-15,I-16の旧式化にともない、新型戦闘機を決める設計コンテストが行われ、ヤコブレフ設計局,ラボーチキン・ゴルブノフ・グドコフ設計局(後のラボーチキン設計局),ポリカルポフ設計局からそれぞれ設計提案が出されたそうです。このときポリカルポフ設計局からは、若き設計者アルチュム・ミコヤンが、先輩のグレビッチと組んで、I-61と呼ばれる計画を提案。この計画が認められ、ミコヤンとグレビッチはポリカルポフから独立、新しい設計局の開設が許可されました。これがミコヤン・グレビッチ設計局の始まりです。新型戦闘機コンテストの方は結局全ての提案が採用となり、Yak-1,LaGG-1,MiG-1の3機種が量産に移されます。この話から当時のソ連がいかに新型戦闘機の必要に迫られていたかうかがい知ることができますね。MiG-1はすぐに発展型のMiG-3に変わりますが基本は同じです。MiG-1/3はとにかく速度を重視した機体で、Yak-1,LaGG-1と比較して翼面荷重が最も大きく、馬力荷重が最も小さかったそうです。当然3機種中最も高速で、最大速度は600Km/Hrを超え、当時の機体としては世界でも最高速の部類ではないでしょうか。MiG-3はYakやLaGGよりも早く量産体制が整い、約3,000機が生産されて大戦初期の主力となりましたが、Il-2用のエンジンの生産を優先するためにMiG-3用のエンジンは生産中止となり、以後の主力戦闘機の座はヤコブレフとラボーチキンに譲りました。
 

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当時記
時は2005年の11月下旬、大物「アナコンダ」に手を焼いてすっかりスランプに落ち込んでいた私に、トライアングルの頼れる大幹部:P.E・kishimotoさんが「レベル1/72MiG-21で競作しませんか?」と、救いの手を差し伸べてくださいました。優秀キットと名高いレベルのMiG-21ならスラスラ組めるのではないかと・・。ところがこのキット、すばらし過ぎてスランプ脱出のためとにかく速く完成させてしまうにはもったいない代物と判明。結局私がわがままを言って、競作アイテムを ITALERI 1/72 MiG-3に変えさせていただきました。こうして始まったMiG-3二人コンペですが、P.E・kishimotoさんは翌12月には単品完成、2006年1月には1/72の戦車と組み合わせてすばらしいジオラマ作品に仕上げられました。一方私は筋彫り修正で重大なミスを犯し4ヶ月もロス。結局P.E・kishimotoさんに遅れること5ヶ月で、ようやく単品完成に漕ぎ着けました。
 

MiG-3 Photo 4

キットについて
[ITALERI 1/72 MiG-3] : このキットの最大の欠点はズバリ機首が細いこと。MiG-3は大きな水冷エンジンを搭載したず太い機首が特徴なのですが、キットの機首はスマート過ぎて実機の無骨なイメージを再現できていません。その他にもスピナの分割線が実機と違う,主脚カバーの出っ張りがいいかげん,ラジエター後縁の形が違う,実機にはない外翼の筋彫りが彫ってある,などなど、あやしい所がたくさんあります。しかし、それら数々の欠点にもかかわらず、完成後の全体の雰囲気は決して悪くありません。特に視線を低くして(自分が1/72の人間になったような目の位置で)斜め後から見た姿は実機写真に実に良く似ていて、「作って良かった」という気持ちにさせてくれます。人間でも芸能人のそっくりさんなどで、正面からまともに見るとそれほど似てないけれど、横顔とか、特定の角度から見ると本当にそっくり・・という例がありますよね。このキットもその仲間で、「鑑賞角度限定優秀キット」の称号を与えたいと思います。
 

MiG-3 Photo 5

制作記があります。よろしかったらぜひご覧下さい。 


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