TOPへ戻る BI-1 制作記 BOXアート
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2015年・秋、大物Be-12に手こずって模型作りが苦痛になり始めたので、気分転換にとこのBI-1を引っ張り出しました。少ない部品点数と 1/144並みの小ささ のお蔭で制作はスラスラ進み、良いストレス解消ができました。気分転換作戦成功です。

☆  ☆  ☆  基本工作  ☆  ☆  ☆

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このキットは実機がとにかく小型のため、胴体全長が10cmありません。部品点数も21と少ないので、手っ取り早く完成しそうです。ただし、結構年代物のキットなので、小規模ながらそれなりの手入れが必要となり、そういう追加工作も楽しめるキットと言えます。

まずは胴体内側がギタギタに荒れているので、グレーの塗料を塗ってはペーパー掛けして綺麗に均しました。組立て後はほとんど見えなくなりますが、荒れたままでは気持ち悪いですから。
 
コクピット周り、キットに入っているパーツはシートだけなので、床板,背もたれ,計器板をプラ板で自作しました。さらにストックパーツから合いそうな操縦桿を拾って来て取り付け、同様にストックデカールからメーター類を見つくろって貼り付け、それらしく仕上げます。ついでにロケット噴射口内部が筒抜けなので、ここも小さく丸く切ったプラ板で塞いでいます。
 

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胴体の接着は特段すき間や段差は出来ず、良い調子です。主翼は上下左右とも分割のない一枚もので、これを胴体に貼り合わせれば即、十の字という手軽さ。しかし良く見ると所々ヒケていて凹みがあるので、胴体に取付ける前に溶きパテで埋めて修正しました。この作業で主翼の筋彫りはほとんど消えたけれど、動翼部の境界は塗装段階で復活させる予定です。
 

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 胴体中央部を下面から見る

脚庫中央は胴体内に筒抜けなので胴体側にプラ板を貼って塞ぎました。ここはキットにもパ-ツが入っていますが合いが悪いのでプラ板に置き換えました。   
 
続いて主翼を胴体に接着し、十の字にします。翼と胴体の合いは基本的に良いのですが、やはり無修正と言う訳には行きません。一番手が掛かったのは上面の胴体と主翼の接合部分です。ここはどんなに翼を上に押し付けても翼が胴体より一段低いので、翼側に溶きパテを盛って対応しました。次に下面前方は胴体との接合部が即、脚庫になっていて、脚庫前縁の細いリブが何故か胴体よりも凹みます。もしかしたら実機がそうなっている可能性もありますが、どうもしっくり来ないので、凹部をエポキシパテで埋めました。写真でほんのり黄色く見える細い部分がそれです。
 

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☆  ☆  ☆  キャノピー 〜 士の字  ☆  ☆  ☆

十の字になったら後はキャノピーと水平尾翼、および機首の機銃を付ければ大方の工作が終わります。まずはキャノピーから。

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写真・左上はキャノピ-取付け前のコクピット周辺を拡大撮影したもの。ここにキャノピ-を取付けますがやはりピッタリとは行かず、すき間や段差が出来ました。私はいつも胴体⇔キャノピ-間に段差が出来ると、透明パ-ツでもかまわずガリガリ削ります。当然曇りガラス状態になりますが、後から磨き直せば透明度を回復できます。その様子を示したのが上段写真中央と右です。この方法だとキャノピ-にあった窓枠のモ-ルドはなくなってしまいますが、取説のイラストや実機写真などを見ながら窓枠を手塗りすれば何とかなるものです。
 
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続いて水平尾翼。ここは左右一体に成形された水平尾翼を垂直尾翼付け根に差し込む仕様で多少合いが悪いですが、とにかく小柄なので修正工作も大したことはありません。逆に少し手こずったのは水平尾翼を補強している支柱です。この支柱は合計4本付きますが、キットには入っておらず、取説ではランナーを伸ばして作る様指示されています。私は伸ばしランナーでは強度が不足すると見て、ステンレス線を使いました。取付けは先に本体に小穴を開けておき、そこにカットしたステンレス線を立て掛けて、瞬間接着剤で固定しています。ステンレス線と本体プラの接合部を均すのに多少手こずりましたが、結果はまずまず満足できるレベルに仕上がったので一安心です。同じ要領でステンレスパイプを機首に取付けて機銃も完成。めでたく士の字になりました。
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☆  ☆  ☆  小物 および 基本塗装  ☆  ☆  ☆

気分転換が目的で始めたBI-1ですが、思惑通り工作はスラスラ進み、週末3回で士の字になりました。これは日ごろ手の遅い私にとっては驚異的なペースです。スラスラ進んだと言っても決してレールの上を歩かされている感覚はなく、コクピットの追加工作や小部品の金属パーツへの置換えなど、独自の創意工夫が出来ているので、とても良いストレス解消になっています。この後はいよいよ後半戦に突入しますが、この順調なペースをぜひ保ちたいところです。

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士の字になったので小物を片付けます。
と言っても主脚とピトー管だけなので、あっと言う間に完了。間髪を入れず本体にサフを掛けました。結果はほとんどアラもなく、これで下地塗装は完了です。何だかとっても順調。
 
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続いて本塗装です。いつもなら下面のライトブルーをスプレーして、上面のグリーンを手塗りするのですが、この作例の場合、上面の方がはるかに面積が広いので、先に全体にグリーンをスプレーし、後から下面のライトブルーを手塗りしました。さらに動翼や機銃カバーの色のトーンを変えてメリハリを付け、脚庫内をグレーで塗って本塗装完了です。普通の作例なら小物作りから本体のサフ掛け、および本塗装まで、最低でも週末2回、平均3回は掛かるところ、このBI-1はたった1回の土日で上記工程を駆け抜けました。気分が乗っている時は不思議と失敗が少なく、速く進みます。あとはやはり機体規模が小さいことがスラスラ進む大きな要因ですね。


☆  ☆  ☆  仕上げ塗装  ☆  ☆  ☆

仕上げ塗装、まずは墨入れですが、これは油絵具の黒をペトロールで溶いてパネルラインに流し込みました。元々あったパネルラインは工作でほとんど消えていたけれど、機銃パネルや動翼のトーン変え塗装のときに出来た「マスキングテープによる塗膜段差」がパネルラインの代役を果たしてくれます。ペトロールで溶いた油絵具は伸びと絡みが良くて、ちょっとした塗膜段差でもくっきりしたラインを形成することができます。続いてウェザリングは、タミヤのウェザリングマスターを使って主翼上面とキャノピー後方を中心に煤けた感じを出しました。機体が小さいこともあり、あまりやり過ぎると単なる汚れた模型になってしまうので、十分控えめに、慎重に作業しました。

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最後にデカール貼りですが、キット附属のデカールは赤星の発色が悪く、輪郭もよれていたので、尾翼の2番も含めストックから活きの良さそうなものをスカウトして貼りました。仕上げのトップコートはいつもの艶消しより少し艶が多めのコーティングにしています。本当に小さい模型なので、多少艶でもないと存在感がなくなってしまいますから。


☆  ☆  ☆   完  成   ☆  ☆  ☆

最後は脚の取付け。脚パーツは本当に小さいのですが、付け始めてみると案外左右のバランスがズレていて、最後の最期でちょっと慌てます。ここは短気を起こさず、慎重に脚柱の長さを合わせたり、脚カバーの外形を調整したりして、出来る限り手を尽くしました。完璧を目指すと切りがありませんが、気持ちの問題として、本人が納得することが大事です。

振り返れば着工から完成まで1ヶ月以内で駆け抜けたこの作例。簡素なキットながら、一定程度自分の創意工夫を盛り込めたので満足しています。思惑通り、良い気分転換になりました。

本人満足度 ★★★★

 
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