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大作An-12の裏作として始めたBILEKのMiG-21PF。緩慢な作業頻度で2年10ヶ月の時を経てようやく完成しましたが、ここでは集中的に制作過程を振り返って見ましょう。

☆  ☆  ☆    胴 体 の 工 作    ☆  ☆  ☆

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まずはセオリー通り、胴体に挟み込むパーツを取付けて左右の胴体を接着します。BILEKのMiG-21は結構古いキットと見えて取付けガイドがほとんど有りません。こういう場合の胴体内パーツの取付け方として、私はエポキシパテを土台にして各パーツを座らせて行く方法を良く使います。今回も前脚庫パーツの上にエポキシパテをたっぷり盛り付け、前端にショックコーン取付け基部、後端にコクピットのバスタブを取付けました。エポキシパテはそれ自体に適度な接着力があり、密度も高いので重りの代わりにもなって重宝します。

そしてこのキットはMiG-21前期型各種を網羅するコンバージョンキットのため、垂直尾翼と腹ビレが別パーツなのでそれらを取付けます。垂直尾翼と胴体の合いは良好ですが、前半のドーサルフィンに比べればやはり少しすき間が開くので溶きパテで埋めました。他にも補助空気取り入れ口や胴体の部分的な膨らみなどが小部品で用意されているので、それらを取付けて胴体の組立て完了。
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続いてコクピットを作り込んで行きます。まずは背もたれ板と胴体間のすき間を埋めて平らにならしました。次に計器板を付けますが前方に大きなすき間ができるので、プラ板で塞ぎます。下写真上段右は後ろからのショット。計器板中央上部の円筒形のものは自作したレ-ダ-スコ-プです。写真下段はキャノピーの接着。合いはまずまずですが、やはりピッタリとは行かないのでペーパー掛けして形状を整えました。一度は曇りガラス状態になるけれど、砥ぎ出せば透明度は回復します。続いて前面の小判型の窓枠を手描きした後、マスキングして外周窓枠を塗りました。この時胴体側をしっかりマスキングすることで前方に開くキャノピーの一体感を出します。

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・・と、ここまでとても順調だったんですが、そういう時って何か落とし穴があるんですよね。今回も見事に嵌まりました。問題は射出座席です。MiG-21PFが装備している射出座席はSK-1と言ってヘッドレスト上部にヘラの様な薄い板が付いているのが特徴なんです。キットにはちゃんとこのSK-1が入っていますがヘラまでは再現されておらず、しかし取説にはしっかりヘラが描かれていて、「モデラー各自自作するように」と暗に指示されていたんです。ああそれなのに!ヘラを付けるのをすっかり忘れてキャノピーを閉めてしまいました。もう完全に後の祭りです。レーダースコープは自作したのに・・。この悔しさは絶対忘れません。

☆  ☆  ☆    士 の 字 化 工 作    ☆  ☆  ☆

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士の字化工作、まずは主翼を取付けます。キットの主翼パーツは上下分割のない1枚もので、カミソリの様な薄翼の感じが良く再現されています。しかしその分、胴体との接着面積が少ないので取付け強度に不安があります。胴体との取付けガイドは有ると言えば有りますがあまり頼りにならないので、通常の接着剤をたっぷり塗って接着した後、瞬間接着剤も流し込んでガッチリ接着しました。また、MiG-21の特徴である胴体側の主翼取付けリブと翼表面との上下位置が、特に右翼後半で破綻しているので、左下の写真に示す様に主翼側をマスキングして胴体側に溶きパテを盛り、修整しました。

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翼上面の境界層制御板は
別パ-ツになっている。
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主翼が無事胴体に取り付いたところで、翼下面にパイロン、上面翼端付近に境界層制御板を取付けます。両方とも薄い部品なので接着強度が心配ですが、接着剤のはみ出しを気にせずたっぷり使って接着し、はみ出した接着剤は硬化後に削り取りました。さてこのキット、箱絵の機体はちょっとズングリしたミサイルを装備していますが、このミサイルはキットに入っていないので、以前途中で挫折したマケットのSu-9から持って来ました。パイロン下のミサイルランチャーもズングリミサイル用のものは形が違うのでそれらしく削ります。

水平尾翼を取り付けてめでたく士の字。さらに機首のピト-管と右舷にある小さな突起も取り付けて、これで本体の工作は完了です。ここまで来てこのキットのプロポ-ション(外形・形状)がその全貌を現わしましたが、すごくカッコイイです!図面と見比べたわけではないけれど、色々な角度から立体的に全体を見たときの雰囲気がバッチリ決まっていて、「本物」を感じます。(個人の感想です)。 この先まだまだ苦難があるでしょうが、この士の字の時点で大いにモチベ-ションが上がりました。

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☆  ☆  ☆    小 物    ☆  ☆  ☆

さて、士の字になったので小物に掛かります。小物は合計19個と多め。脚の他、機首のコーンと排気口,増槽,ミサイルから成り、いくつかのパーツはさらに分割されていたので下の写真2枚に写っている小物たちの、ランナーレベルでのパーツ総数は25個でした。各部品の出来は十分細かいのですがプラの強度が弱くて切り出すのに一苦労。アンテナ、主脚支柱および主脚カバーは折ってしまったので、自作したりFUJIMIからトレードしたりして補いました。 

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☆  ☆  ☆    THE 塗 装    ☆  ☆  ☆

士の字になって小物が上がったのは2012年の9月。それから訳有って休眠していましたが、1年8ヶ月経った2014年5月のある日、急に気が乗って再開しました。この程度の放置は私にとっては普通です。基本工作と小物作りまで終わってちょうど一区切り付いたので、ほんの少し休憩しただけです。で、再開は塗装からということで、その日の午前中にサフを吹き、午後には銀を吹きました。サフ掛け後のアラのチェックでは特段修正が必要なヶ所は見当たりませんでした。それでも、銀を掛けて初めて顕在化するアラもあるので油断はできません。ところが今回は銀掛け後もアラは出ず、何だかとっても順調です。

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全体銀塗装の次工程は銀トーン塗り分け。機体パネル毎に少しずつ色合いの異なる銀を塗って行きます。使った色は8番銀,暗銀,暗2銀,黒鉄色,白銀,赤銀,青銀,メタリックグレーの合計8色。この内8番銀はサフの上に全体にスプレーしたもので、他の色はその上にパネル毎にマスキングして筆塗りしました。いつも思うのですが8色と言えば虹の7色より多い訳で、仮に原色で塗り分ければ虹のような戦闘機になるのでしょうか?一度試してみたいです。

続いての工程は墨入れとなりますが、このキットの箱絵はえらく汚れた機体で、これがまたイイ感じに見えたものですから、無謀にも箱絵の機体を再現してやろうなどと考えてしまいました。そこでパネルラインに油彩で墨入れした後、ラインのサイドにも油彩を置いて生乾きの状態でドライブラシの要領でぼかしてやったところ、上写真・右の様になりました。うう〜ん・・確かに汚れた感じは出せたのだけれど、ラインがはっきりし過ぎて劇画調になってしまいましたね。デカールを貼れば感じが変わるカモと思って貼って見ましたがさほど変わらず、トップコートを掛ければ落ち着くカモと思って掛けて見ましたがこれも効果なし。確証のないまま期待だけで工程を進めた結果、もう後戻りできなくなりました。正に「過ぎたるは及ばざるがごとし」。さらに悪いことは続くものでピトー管を拡大鏡の縁に引っ掛けて折ってしまいました。少し落ち着かないといけません。

 

☆  ☆  ☆    リ ベ ン ジ    ☆  ☆  ☆

「百里の路を行くときは九十九里をもって半ばとせよ」 という有名な格言がありますね。ウェザリングしてデカール貼ってトップコートまで掛けたので、まさに99里まで来たところでピトー管を折ってしまい、気分は50里に逆戻り。まあ過去の経験からして何事も無くすんなり完成することは希なので、気を取り直してリカバリー開始です。ピトー管が折れたとき、取付け基部は残ったのでここに新しいピトー管を差し込むつもりでした。しかし、差し込み用の穴を開けていたら基部全体が壊れて取れてしまいました。さらに勢い余ったドリルの切っ先で下写真・中央・矢印部分にキズが付き、気分は最悪です。

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めげずに作業を続けます。ピトー管は少しの力では折れない様に金属に置換えました。まずは瞬間接着剤で機首に固定、続いてエポキシパテで基部を作ります。基部はエポキシパテが固まらないうちに出来る限り形を整えました。

このリベンジ作業の最後の難関はキズ隠しの再塗装です。上写真・上段・中央の矢印部分の他に、写真では見えませんがキャノピー前にドリルの当りキズがありました。これらのキズの上から目の細かい紙ヤスリを掛けて均した後、新たな銀塗料を小筆で点描してごまかして見ました。これは身近なアルミ製品であるアルミサッシの窓枠に、白っぽい錆が斑点状に浮いているのを見て思い付いたものですが、本物のMiG-21にこんな現象が起きるかどうかは分かりません


☆  ☆  ☆    完  成    ☆  ☆  ☆
 
最終工程は小物の取付けとなります。各パーツは接着面が狭く、なかなか一筋縄では取り付いてくれません。左右の脚のバランスとか、増槽やミサイルの機軸平行などに気を遣い、全ての小物を付け終わるのに丸一日掛かりました。それだけ慎重に作業したのに主脚のバランスがピッタリ等長とは行かず、微妙に右に傾いて固まってしまったけれど、もうこれ以上どうしようもありません。全体の雰囲気はまずまずなので満足していますが、劇画調の墨入れと最後の脚アンバランスで★1つ減らし、本人満足度は★4個です。
   
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本人満足度 ★★★★

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