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2007年春、「エース」がお題の展示会に向け、Yak-1を作り始めました。魔女飛行隊で有名な女性エース、リーリャ・リトバックの乗機とされるYak-1初期型、白の44番機を目指します。

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古いキットでパーツの内側(金型のコア側)がギタギタに荒れています。推測ですが成形して金型が開いたときに成形品がキャビ側にくっついて出て来てしまうのを防ぐため、わざとコア側を荒らしたのでしょう。組立てて見えなくなるなら問題ありませんが、脚庫内とコックピット内壁は完成後も見えるので、まずはこの部分を平らに均します。作例では瞬着で大雑把に凹部を埋めた後、溶きパテで仕上げました。パーツ割りは主翼上下とも左右一体で、コクピット内部パーツが翼中央上部に乗るタイプです。この方式だとコクピットの工作を後回しにして胴体左右を接着できるので、作り始めてすぐに随分進んだ気分にさせてくれます。

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コクピット開口部の大きさが左右で凄く違うのですが、大きい方の開口でもキャノピーの内側に収まるので、大きい方に合わせて広げてしまうので良いと思います。 

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主翼上下の合わせは相当ズレてます。特に翼端部で下面の方が上面より一回り小さいからパテ盛りは必須。エルロンは上面に一体成型されているけれど、これがアダになって基部に大きくすき間ができるので、境界線を気にせず一度全部パテ埋めしてしまって、乾燥後に筋彫りを入れ直します。文章からだととんでもなく手が掛かる感じがするかも知れませんが、1/72で小さいし、変に基のラインを残すより全部埋めて全部彫り直しの方が精神的にも楽です。

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主翼の工作が完了。出来の良いキットならただ貼り合わせるだけでこうなるのでしょうが、このキットの場合はかなりの労力を使ったので、うれしくなってしっかり写真を撮りました。上下左右一体のパーツ割りはこの例の様に、上反角と機軸に対する左右両翼の取付け角度がピッタリ出るので私個人的に好きなパーツ割りです。もっとも金型段階で狂っていたり成形で歪んでいると元も子もありませんが、このキットは大丈夫です。

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続いて胴体は機首から機尾に向かって順に手を入れて行きます。まずプロペラ取付け基部。

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キットに入っているプロペラ軸受けパーツは径が小さ目で胴体への座りが良くありません。そこで、丸く切ったプラ板で機首先端をピッタリ塞ぎ、このプラ板の内側に軸受けパーツを接着しました。次に機首下面の空気取り入れ口は中が筒抜けなので、エポキシパテで塞ぎます。具体的工作方法は、まず穴の内側からエポキシパテを充填し、柔らかいうちに表から筆の軸などを押し込んで適度な深さに調整しています。

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コクピットの工作。胴体には照準器,計器板,背もたれ後部の蓋を取付けます。照準器はランナ-を適当に切って自作したものです。背もたれは取説ではシ-トと共に主翼に取り付ける様になっていますが、仮組み検討の結果、胴体側に取付けました。

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続いてキットに付属の細長い透明パ-ツを使ってYak-1bであるこのキットをYak-1初期型にします。胴体工作の正念場です。

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キャノピ-は開状態にしたくて分割しましたが、厚過ぎて使い物になりません。そこで他キットからバキュ-ムキャノピ-を略奪して来ました。風防は何とかなったけど天窓が今一。

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天窓は曲率が合わなかったので手で適当にクセをつけていたら白く濁ってしまいました。まあここは後回しにして制作を進めましょう。左写真、主翼中央上面がコクピットの床になっています。ここにはラダ-ペダルなど若干のモ-ルドがあるので適当に塗り分けて、操縦桿とシ-トを取付けます。下写真、主翼と胴体、それぞれの工作が完了しました。これからいよいよ士の字に組んでいきますが、毎回これ位のときが一番ときめきますね。

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↑主翼と胴体の接合部は若干すき間が空くのでパテで埋めました。しかしここは実機でも接合線がある場所なので、それほど神経質になる必要はありません。最終塗装後にうっすら跡が残る程度で良いし、仮に接合線が消えてしまっても塗装とウェザリングで何とかごまかせます。

↓士の字になりました。このYak-1を含め、ソ連の大戦機は半木製なので筋彫りやリベットが少なく、修正工作には好都合です。この作例でも胴体後半上部を相当磨き込んでいますが、この部分は実機でも合板張りのため、パネルラインはありません。 

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小物に掛かります。ズバリ、プロペラに問題ありです。仮組みの結果、スピナーの径が胴体よりふたまわりも大きいことが判明。これを根気よく削って細くして行くのだけれど、型割りの都合かプロペラの付け根がスピナーのエッヂぎりぎりに付いているので、へたに削ると取れそうになります。そこでスピナーの底面にプラ板を貼り、さらにプロペラの付け根を瞬着で補強。しかるのちようやくスピナーを削るという大工事に発展してしまいました。
 
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その他の小物はアンテナ柱と脚パーツのみで特段問題はありません。ピトー管は取説では伸ばしランナーで自作することになっています。

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以上で基本工作は終了し、いよいよ本格的な塗装に入ります。まずは全体にサフを吹いて下地を整え、下面のライトブルーを吹き付け。スプレーの使用はここまでで、あとは筆で行きます。細吹きできるエアブラシは持っていないし、仮に持っていたとしても使いこなす技量もないですから。筆でいきなり上面のグリーンを塗って行くのは豪快ですよ。最初は物凄い筆ムラだけど、ラッカーが乾燥した上にエナメルでドライブラシすればムラは消えるし色の境界も適度にボケて良い感じになってくれます。

塗装が終わればデカール貼りですが今回は(今回も?)苦労の連続となりました。 

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まず翼下面の赤星ですが、部分的に割れて剥がれてしまいました。こんな翼下面の様な平らな部分でも剥がれてしまうのだから、胴体のマークは凹凸に追従できず浮いています。マークソフター(デカール軟化剤)を使ってねじ伏せたものの、乾燥後はやはりパリパリと割れて大方剥がれてしまいました。しかたがないので残ったデカールの残骸を頼りにエナメルで筆書きしました。    

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油彩の黒で墨入れしてトップコートしました。あとはキャノピーと小物を取付ければ完成という所まで漕ぎ付けたのだけれど、ここで手が止まって何と5年半もの間、放置してしまいました。 
 
⇒⇒⇒⇒⇒ 5年半後
恐る恐るキャノピーのマスキングを剥がすと、まずまず想定内の状況です。多少流れ込んだ塗料をこそげ落して制作再開。

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5年以上も停滞した理由は曇ってしまった天窓の自作ができなかったからなんですが、たまたま食べたお菓子が薄い透明な蓋のあるパッケージに入っていたので、この蓋を使ってみようと思い立った次第。
Yak-1 Making_37  単純な形なので型は作らず、筆の芯などの円筒形の物にあててドライヤーで焙ると上手い具合に曲がってくれました。 

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出来上がった天窓を胴体に乗せてみるとそこそこ行けてます。こういう後ろにスライドして開く天窓は十分薄くないと浮いてしまうので、自作は避けられません。小物の取付けは脚柱が細い上、脚カバーも2つに分かれているので難航するかと心配でしたが、脚柱とカバーの位置がすんなりと決まってくれたので助かりました。
   
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本人満足度
★★★★