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展示へ戻る 自作アレンジ 1/150

いつもはソ連軍用機という日常とはかけ離れたアイテムばかり作っていますが、ある時ふと、日常をテーマにした模型が作りたくなりました。ちょうど手元にNゲージのバス模型があったので、自宅に最寄りのバス停を1/150のジオラマで再現することにしました。

☆  ☆  ☆  作 り 始 め  ☆  ☆  ☆

まずはこの企画のきっかけとなったNゲージのバス模型はトミーテックのバスコレクション第7弾「いすゞエルガ」です。下・左に写真を載せておきますが、これが1/150とは思えない超絶なディティールでモチベーションが上がります。これは何としてもこのバスの精巧さに見合ったベースを作らなければなりません。また、今回は自宅に最寄りのバス停という実在する情景をジオラマ化するので、現場にあるものを揃える必要があります。そのひとつにバス停の雨除がありますが、これもトミーテックから出ている鉄道模型用情景小物「バス停A4」がちょうど良かったので購入しました。今回はNゲージ(1/150)ということで、鉄道模型用の素材を多用することになります。言わば鉄道のない鉄道模型です。

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さて、ジオラマの基本は何と言ってもベースですが、まずはGoogleマップで自宅に最寄りのバス停の上空からの画像をGETしまして、画像ソフトでスケールを調整し、丁度1/150になる様にA4にプリントアウトしました。それが下・左の画像です。今度はその画像にA4の白い紙を重ねて窓に貼り付け、透過光で道路の輪郭を写し取りました。自室でできるのはここまで。あとは現地に行って、細部がどうなっているのか調査します。バスを待つ人々に怪訝な目で見られながらも、何とか下・右の見取り図が完成しました。
 
 
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ベースはスチレンボードで作ります。ボードを切り出して4枚貼り合わせ、下・左写真の物体を作り出しました。最上層には現地で取材してきた見取り図のコピーを貼り付けています。外形がまるでステーキ肉の様な不定形をしているのは、台座にする木の板に合わせたためなんだけれど、経験のないNゲージ(1/150)ジオラマでいきなりこんな変則的な外形にチャレンジするなんて、自分でも無謀だと思います。ちゃんと鑑賞に耐えられる作品になりますかどうか・・。 
 
 
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次に、歩道は車道より一段高くなっているので、それを表現するために2mm厚のスチレンボードに再び現地見取り図のコピーを貼り付け、車道部分を切り抜きました。それが上・右の写真。これを上・左の土台に貼りつけたものが右の写真です。歩道が一段高くなることで立体感が出るかと思ったけれど、まだまだ平面的でやっと2.5Dと言ったところです。行く行くはこれに様々な小物や植え込み、それに背の高い樹木などを配置して上へと伸ばして行きますが、いったいどれほど立体的なジオラマになるのか、この段階ではまだ想像がつきません。 

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続いてベースの側面に紙粘土をすり付けて平滑化します。上写真3枚はその進捗過程で、左端は粘土を盛る前、中央が粘土を盛った直後、そして右端が乾燥後ペーパー掛けして平滑にならした状態です。プラモ作りにおけるパテ盛りと削りをそのまま応用した作り方で、全くの自己流ですが、まあ何とかなってくれました。 

 

☆  ☆  ☆  植 え 込 み と フ ェ ン ス  ☆  ☆  ☆

次に遊歩道上の植え込みに掛かります。現場見取り図をコピーした紙の上に粘土を盛り付けて大きさと形をきっちり作り込む作戦だったのですが、やはり普通の紙粘土の限界なのか、乾燥後に随分縮んだため、予定より一回り小さくなり、また表面がしわしわになりました。これは明らかに素材の問題で、収縮率の小さい、精密工作用の粘土を使えばきっと上手く行くのでしょう。

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でも紙粘土で作るのはこの植え込みの芯だけなので、そのためにわざわざ高い粘土を買う気にもなれず、今回は普通の紙粘土で妥協しました。乾燥時に反りも出ましたが、底面をペーパー掛けしたら平面が出たのでこれで良し。また表面のしわも、指に水をつけてこすったら随分軽減されました。この表面にコースターフと言う、緑のスポンジを細かく裁断したものを接着するのですが、下地が白いと透けると思ったので茶色に塗りました。この茶色はプラモ用のラッカーを使っています。紙粘土にラッカーで大丈夫か?と心配したけれど、ダメモトで塗って見たら案外上手く定着してくれました。次に、芯とコースターフの接着は、まず、芯の表面に木工ボンドの原液を結構厚く塗り付け、その上にコースターフを押し付けて一度乾燥させます。しかしそれだけでは接着が弱くいので、水で溶いた木工ボンドを全体がひたひたになる程度コースターフに含ませて、ゆっくりと乾燥させました。ここまでやるとしっかり定着してくれます。何だか苔むした岩にも見えるけど、とりあえず植え込みの完成です。

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図形を描くソフトはエクセルを使用

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続いてフェンスの工作に入ります。バス停の現場は遊歩道の向こう側に、とある公共施設がありまして、敷地の境界が鉄柵で仕切られています。しかし1/150の鉄柵を作るのは私の技能ではムリなので、板状の塀に置き換えることにしました。実寸3m幅(1/150で20mm)の板を多数並べて塀を表現します。素材を何にするか少し迷いましたが、厚紙を加工してパーツを作る「ペーパークラフト」で行きます。まずはパソコンで図形を作ってプリントアウトし、それを厚紙に貼りつけました(上・左写真)。これを切り出して貼り合わせて行きます。実際にはひざの高さあたりまでレンガが積んであり、その上が鉄柵になっているので、模型でもレンガ部を再現し、上の鉄柵のみ平板に置き換えます。

作業は2段上の写真・右のごとく、厚紙から7つのパーツを切り出し、それらを上写真の様に貼り合わせます。これを1セットとして全部で20セット作りました。地味で根気の要る作業ですが、真面目にコツコツとやって行けば特段難しいこともなくきちんと仕上がるので、私の様なタイプの人間には良いストレス解消になります。ペーパークラフトなんて今までほとんどやったことがないけれど、やって見ると楽しいですね。
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次は出来上がったペーパークラフトパーツをベースに接着し、連なった塀に仕上げて行きます。まずはバラバラの塀パーツを木工ボンドで1枚ずつベースに貼り付けました。塀パーツは全部で16枚あります。できるだけ傾かない様に垂直に取り付けますが、それでも貼った直後は塀の頂部が不揃いになりました。そこで、縦長の長方形に切った紙を塀の境界に貼り付け、頂部を揃えて行きます(上写真・赤矢印)。さらにその下の基部も隣接パーツにまたがる様に紙を貼り付けます(上写真・青矢印)。その結果、16枚のバラパーツは何とか連続した1枚の塀になってくれました。作業は塀の手前と裏に施すので、貼った紙は大小合計60枚です。塀ができたおかげで平坦だったベースがやっと3Dっぽくなって来ました。


☆  ☆  ☆  ベ ー ス 塗 装  ☆  ☆  ☆

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ベース塗装に入る前に工作の最後の仕上げと言うべき修正作業を行います。具体的には外周側面の平滑化と、車道⇔歩道間段差の断面の平滑化です。外周の方は紙粘土に木工ボンドを練り込んだものを盛り付けてたいらに均したつもりだったのだけれど、何週間も経って粘土が完全に乾燥すると結構あちこちに凸凹ができて、追加修正が必要になりました。車道⇔歩道間段差の方は初期の写真を撮っていませんが、修正なしでは歩道分のスチレンボードを上に乗せたのが見え見えで、何とも実感を損ねていたんです。

さて、スチレンボードに紙粘土という素材の平滑化修正をどうすれば良いのか散々悩んだのですが、結局、プラモ作りで慣れ親しんでいる「溶きパテにサーフェーサーを混ぜたものを塗り付け、乾燥後ペーパー掛けして平滑化する」・・と言う方法を採用しました。上の写真でグレーに見えている部分が最終的に「溶きパテ+サーフェーサー」で埋まった部分です。右は車道⇔歩道間段差の拡大写真です。段差の断面がたいらに整い、車道とのすき間が埋まって実感が出ました。この様に使い慣れている器材のおかげで何とか納得できるレベルまで持って来ました。

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と言う訳でようやくベースの基本工作が終わったので、いよいよ本格的な塗装に入ります。塗料は色々悩んだ挙句、紙やスチレンボードなどにも適しているアクリル絵の具を選択しました。初めてだったので値段が心配でしたが、近くの文具店で左の12色セットが千円ちょっとと、手頃な金額で手に入りました。

下の写真、まずは車道とバス停中央部を塗って見ました。これが私のアクリル絵の具初体験になります。アクリル絵の具は水で溶いて使いますが、乾くと耐水性になります。使ってみての印象は耐水性とは言いながら、やはりプラ用のラッカーに比べると塗膜が弱い気がします。最終的にトップコートを掛けたいんですが、ラッカー系でトップコートしても大丈夫なんでしょうか?その辺はおいおいダミーなどで確認しながらやって行くつもりです。あと、12色の基本色セットなので道路の灰色など中間色は自分で混色するのですが、混色したものを保存して置けないので、後からその色が必要になった時は再度混色することになります。その場合、元の色とピッタリ同じ色を作るのは難しく、多少の違いは妥協することになります。下の写真で車道の灰色に色ムラが見えるのはこのためです。自分では許容範囲だと思うのですが、いかがでしょうか?

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さらに残りの部分を塗装して行きます。一番苦労したのはレンガ敷の遊歩道の表現です。実物の遊歩道に敷き詰められているレンガには色の違いがないのだけれど、模型では演出として明度の異なる3色を用意し、レンガ1枚1枚丹念に塗り分けました。下の写真がそれですが、いかがでしょう、レンガ敷の遊歩道に見えますでしょうか?これを女房に見せたところ、「何か変」と言われました。お世辞でも良いから「遊歩道に見える」と言って欲しかったですね。

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遊歩道の他にも、塀の基部の赤い部分がレンガなのでこの塗装にも気を使いました。ここは単色で塗りましたが、やはりレンガ1枚ずつ塗って、目地の黒線を残しています。塀は塗装後、油彩の黒で墨入れして少し汚れた感じにしました。その他、植え込みや木が植わる部分はとりあえず茶色で塗りました。右写真は塀の裏側から見たところです。茶色の平面が結構な広さで有りますが、ここは行く行く木や草を沢山植えて森状態にする予定。ベース塗装が終わったとは言え、まだ先は長いです。


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☆  ☆  ☆  小 物  ☆  ☆  ☆

ベースが一応の完成を見たので小物に掛かります。小物のトップバッターはバス停の奥にある半円形のベンチ。これもペーパークラフトで作ります。下写真・左はベンチのパーツを厚紙から切り出したところ、右が完成した半円形ベンチです。このパーツはかなり小さいのでアクリル絵の具は使わず、慣れ親しんだプラモ用のラッカー塗料で塗っています。紙にラッカー塗料を塗っても、小さいパーツなら特段問題ない様です。

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続いてガードレール。素材パーツはネット通販で手に入れました。小さいのでそのまま使っても良いのでしょうが、やはりプラモデルを作っているモデラーの基準で見ると、バリがあったりピン跡が残っていたりしたので修正しました。塗装はクリーム色味のある白のラッカーで塗装し、乾燥後油彩の黒で墨入れして最後にエナメルのクリアオレンジで鉄サビを表現しています。

次は街灯です。現場に立っているものと良く似たパーツが売られていたので、これもネット通販で買いました。しかし、高さが足りません。そこで一度分解し、中央部の柱をステンレスパイプに置き換えて延長しました。また、細かく見ると成形部分にパーティングラインやバリがあるので丁寧に削ります。最後は自分で調色したこげ茶のラッカーで塗装し、艶を整えてひとまず完成です。しかしこれもガードレール同様小さいパーツなので、苦労した割には目立たないでしょう。やはりNゲージ(1/150)は電車や駅ほどの規模の構造物に適したスケールなので、街灯1本ではどうにもならないけれど、手を抜くのはイヤなんです。

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さらにカーブミラーです。これもネット検索しましたが、さすがにパーツは出ておらず、代わりに「自作してみました」という記事をいくつか見つけました。やはり鉄道模型の世界は広くて深いです。今回は見つけた記事を参考に、見様見真似で私も自作します。材料は黄銅棒,収縮チューブ,プラ板,およびアルミホイルです。左写真はそれらの材料を切り出して並べたところ。ミラーとなるアルミホイルは先に0.2mmプラ板に貼り付けておき、事務用の穴開けパンチで丸く切り出しています。ちなみに写真右下に写っている大きな円は1円玉です。

このカーブミラー、パーツのあまりの小ささに、始めは上手くできる自信がなかったけれど、やれば何とかなるもので、最終的には右端の写真のごとく仕上がりました。右端の写真、一応カーブミラーに見えますよね?(見えると言って・・お願い!)全長2cmと少しの小品ですが、これを作るのに半日掛かっています。途中何度も指が吊(つ)って部品を取り落としたり、瞬間接着剤が指に付いて左手の人差し指にカーブミラーを付けたまま1時間過ごしたりと、思い出深い一品になりました。

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随分と小物を作って来ましたが、小物はまだまだ続きます。残る小物は自販機、雨除け、バス停ポールの3点。焦らずじっくり取り組んで行きます。

まず自販機ですが、これは市販の「自販機セット」を買って来て、その中から自販機1台とゴミ箱2個を使います。セットの残りの自販機やテーブルと椅子、簡易屋根などは、またいつの日か使うことがあるかも知れないので、ストックに回しました。自販機は窓や取り出し口を暗くして少しでも実感を高めます。ゴミ箱はグレーに塗り替え。上の写真で自販機の下の長方形のものは自販機が乗るコンクリート製の台です。

次は雨除けです。これはこのバス停ジオラマを作り始めた時に模型店で購入した「バス停セット」のパーツを使います。下写真・左端が購入時の状態。ちょっと分かり難いですが、フレームの色がグリーンなんです。で、現物はこげ茶なので塗り替えることにしました。良く見ると購入時のものはパーティングラインがうっすら見えるのでペーパー掛けして綺麗にならし、さらに屋根の半透明部分を丁寧にマスキングして筆塗りしました。右端が完成状態です。この手の作業は普段から慣れ親しんでいるプラモ作りと同じで要領が分かっているため、スラスラ進みました。

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小物の最後はバス停ポールです。これは「バス停セット」に入っていたパーツを流用し、自作パーツも加えて改造して作りました。下写真・左端、上に写っているのが流用パーツ、下はプラ板を切って四角錐に組んだもので、ポールの基台になります。   
 

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ポールは看板部分の上下を丸く整形しておきます。次に基台の内側にエポキシパテを詰めて固まる前にポールを差し込みます。どの角度から見てもポールが垂直になる様に立てるのは結構難しかったです。パテが乾いてから全体をグレーで下塗りして凹凸を整え、細部を塗装後「バス停セット」に入っていたシールを貼って完成。


☆  ☆  ☆  樹 木  ☆  ☆  ☆

小物に続き樹木に取り掛かります。樹木は今回の様な日常のジオラマには欠かせない存在ですね。原生林ではなく、人が住む郊外の街路樹を上手く表現できるかがカギとなります。

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まずは植え込みの中央部から生えている木を作ります。これは3年前にYak-1とリトバックのジオラマを作った時に余った「白樺」を有効活用しました。現場に生えている木は白樺ではありませんが、姿形が良く似ているのでこれで良いことにします。ちなみにこのキットはプラ製の幹にスポンジ状の葉を接着する仕様なのですが、なかなか強固に接着できず手を焼きます。これも仕上げに水溶き木工ボンドを葉に染み込ませて補強しました。

次に、遊歩道に3本植えられている大きな木を作ります。現場で目測すると、木の高さは10m近く有りそうです。1/150では65mmほどでしょうか。そこでネット検索したところ、「樹木65mm3本セット」なんていう、おあつらえ向きの商品が見つかりました。早速購入して手に取って見ると・・残念、問題発生です。下写真・左端が購入時の状態。幹の周りに細い糸が巻き付けられ、毛まり状になった表面に黄緑色の微小なチップが貼ってあるのですが、接着が弱くてちょっと触るとパラパラ落ちて来ます。これでは使えないので例によって水溶き木工ボンドを葉全体に含ませ、さらに表面にコースターフを追加して補強しました。また、現物に合わせて3本中2本は葉のボリュームを圧縮してスリムにしています。

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ここから先は塀の裏側に植える木を作ります。まずは杉の巨木。実際に現場に生えている木はヒマラヤ杉なんだけれど、キットがないので普通の杉で代用します。まあ雰囲気が似ているので許容範囲でしょう。また、キットのままでは木の背が高すぎるので、最下層の枝を省略し、幹の長さを縮めて調整しました。

樹木の最後はケヤキを3本。背の高さを微妙に変えて、ベースに植えた時にリズムが出る効果を狙います。生け花的ですね。

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これら樹木キットに共通するのは葉を枝に接着するのに苦労する点です。特にケヤキは枝が細いので葉が乗り難く、往生しました。ゲル状の接着剤なら付け易いですが、乾燥後に接着剤が見えるので使えません。


☆  ☆  ☆  デ コ レ ー シ ョ ン  ☆  ☆  ☆

ベースと上に載るものの両方が完成したら、いよいよ上物を載せて行くデコレーション工程に入ります。順番としては壁際を「奥」として、奥から手前に向かって取付けて行くことにしました。まず取り付けたのはバス停中央部の奥、正に壁際に位置する「植え込み」です。このパーツは底面をヤスって平面出ししたつもりなんですが、いざベースに置いて見ると反りが合わず、左端で2mm程度浮いてしまいました。あわてて修正に掛かります。

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修正は隙間に木工ボンドを塗り、そこに植え込みの表面を覆っているのと同じコ-スタ-フを詰め込んだところ、とりあえず隙間はなくなりました。 
 
まあこれだけでも良かったんですが、境界をぼかすともっと良くなる気がしたので、「カントリーグラス」というジオラマ用のパウダーを植え込みの生え際に撒いたところ、上写真・右の様になりました。まずまず遊歩道と植え込みが融和してくれたのではないかと思っています。次に、@植え込み中央部に生えている木、A円形ベンチ、B自販機+ゴミ箱x2 を取付けました。どれも接着剤を付ける面積が少ないのでガッチリ固定できているかどうか分かりません。@は0.5mmステンレス線を介してベースに刺さっています。細いステンレス線に接着剤を塗って差し込みましたが、どれだけ強固に接着できているか不安です。一応逆さにしても落ちないけれど、手で木を引っ張ったら抜けそうです。Aはベースに置いてからずらすと接着剤がはみ出すので、位置決めが一発勝負となり、緊張しました。Bは中では一番のりしろがあったけれど、逆に接着剤を付け過ぎて遊歩道に押し付けたら脇からはみ出し、あわてて拭き取るなど苦労の連続でした。 
 

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続いて遊歩道上に木を3本植えます。植樹スペースに木を接着しただけでは左側の様に根本部分が不自然なので、カントリーグラス(ジオラマ用パウダー)を撒いて調整。その結果、右側のごとく、自然な感じになってくれました。 
 
続いて遊歩道の車道側の縁(ふち)に生垣パーツを接着しました。この生垣パーツは単品で見ていると何だか緑のナマコの様で、これが本当に生垣に見えるのか心配したけれど、今こうしてベースに取り付けて見ると、どうにか生垣に見えるのでホッとしました。続いて人工物を取り付けて行きます。付けたパーツはバス停のポールと雨除け、カーブミラーと街灯、そしてバス停とは反対側の歩道と車道を隔てるガードレールです。これら小物は単品の出来よりもベースに配置した後のバランスが大事なんですが、結果は下写真の通りです。まあ何とか自分では合格点だと思っていますがいかがでしょうか?
 

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続いて塀の裏側に木を植えます。 
 
結構広かった塀の裏側も、杉1本、ケヤキ3本を植えたらぎっしり詰まって来ました。ケヤキ3本が端から中央に向かって徐々に低くなるリズム感と、端に近い位置にそびえる杉の高さのハーモニーで生け花的な全体調和を狙ったのだけれど、出来栄えはまあまあでしょうか。 

続いて塀の裏側の地面を草地にします。まず上の写真で茶色に塗ってある地面に、木工ボンドを水で溶いたものを一様に塗布し、その上にカントリーグラス(ジオラマ用パウダー)を撒きます。それだけだと定着が弱いのでさらにその上から木工ボンドの溶き汁を乗せたのが下写真・左端です。それが乾燥したのが下・中央、さらに所々丈の高い草を配置したのが右端です。
 

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下の写真は塀の裏側全体を俯瞰したところ。下草の緑が若干くすんでしまったのと、所々に配置した丈の高い草が下草と同色で全然目立たないのがやや不満ですが、「裏側」という性格上、この程度落ち着いていた方が好ましいので、これで良しとしました。

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裏庭の植栽が終わってこれでベースは完成です。表側から見ると上写真のごとく、木を沢山植えたおかげで大分上に伸びました。


☆  ☆  ☆  仕 上 げ  ☆  ☆  ☆

最後の工程は主役のバス、脇役の乗用車、およびもう一つの主役の、バスを待つ人々をベースに置いて行く仕上げ段階です。龍を描いて最後に目を入れる、正に画龍点睛と言ったところ。

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まずは主役のバス。これは元々超精密な出来で定評のあるもので、実際評判通りのディティールで文句ありませんが、さらに実感を高めるため墨入れしました。左写真・左/右が墨入れ前/後です。屋根の空調室外機など、良い感じが出せたと思っています。ボディーのパネルラインにも墨が入って全体が引き締まりました。
 
続いて脇役の乗用車を1台仕上げます。これはタクシー仕様だったものを一般車に手直ししました。さらにライトを色調の違う銀で塗り分け、少し強めに墨入れした結果、スケールなりの実感を出せました。 

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最後はバスと並ぶもう一方の主役、「バス停で待つ人々」に掛かります。これは市販されている鉄道模型用のフィギュアを使いました。小さいのでポーズの改造などはやりませんでしたが、拡大鏡でよく見ると、結構バリがあったり塗り分けが雑だったりしたので、できる限り修正しました。 
 

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最後の最後で人々をバス停に並ばせる(フィギュアをベースに接着する)のに手こずりました。当然のことながら、足裏に接着剤を付けてベースに置いても直立せず転がってしまうので、接着剤が固まるまで1体ずつ丁寧に支えてやる必要があります。そこで消しゴムを適宜にカットしたブロック2個でフィギュアを挟む様に支えて、1体につき20分保持 x 6体=2時間掛けてどうにかフィギュアの取り付け完了。これで全ての作業は終了し、バス停ジオラマが完成しました。



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