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2010→2011年越し企画として取り組んだAmodelのI-302P。結局完成は2月にずれ込みました。振り返って見ると工作,塗装の両面でかなり手こずってます。

☆  ☆  ☆  基本工作  ☆  ☆  ☆

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このキットは実機が小柄なせいもあって部品総数21と少なく、あっと言う間に出来上がりそうに見えます。ところがいざ組み始めるとパーツの反りや歪みが酷くて基本工作をしっかりこなさないと形になりません。小粒ながら手応えのあるキットです。

胴体パーツは特に歪みが大きくてそのまま接着すると垂直尾翼が垂直になりません。個体差もあるでしょうが、主翼パーツも仮組みしながらバランスを整えます。

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不整合の面では、特に大きな段差が出るのは垂直尾翼の右舷付け根と主翼下面の翼端部です。これらの段差はパーツ割りに起因しているのでまあしかたないところ。また、主翼と胴体の接合では全周に渡って隙間や段差が出来る上、胴体との取り付け角度を正しく調整すると隙間や段差がさらに広がります。これは胴体の歪みを修正し切れていないことと関係していますが、全体のバランスを見ながら妥協点を探って接着しました。

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水平尾翼は取付け位置が下過ぎる様で、そのまま接着するとエレベーターが胴体と干渉して下がらない位置関係になります。胴体側の取り付け基部を切除して正しい位置に付け直すのがベストですが、今回はそこまでの根性が出なかったので、水平尾翼の後退角が減る方向に回転させて取り付けることにより、エレベーター〜胴体間の干渉を回避しました。実機を知っている人が見たら、ここが一番のツッコミ所になるでしょう。


☆  ☆  ☆  小物 と コクピット  ☆  ☆  ☆

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小物はシ-ト,キャノピ-,脚パ-ツの全部で11点です。他に機首の機銃と尾輪収納庫がありますがこれらは基本工作時に取り付けを済ませます。機銃パ-ツは切れが悪いので金属パイプ(ステンレス)に置き換えました。コクピット内にシ-トだけというのは寂しいので、計器板や操縦桿を追加することも考えたのですが、完成するとほとんど見えなくなるのが常なので、思い切って省略しました。

キャノピ-は窓枠が無くツルツルなので自分で描かなければなりません。それはまあ良く有ることですが、問題は胴体とキャノピ-の外形がつながらない点に有ります。文章では表現し難いのですが、胴体に比べキャノピ-の上半分が幅広で下半分が狭い。つまり修正しないと本機のグライダ-の様な流線型の美が損なわれます。修正手順はまず出っ張っている部分をガリガリ削りました。当然曇りガラス状態になるので丁寧に研ぎ出して透明度を回復させ、その後凹んでいる部分にクリアを厚塗りしています。右写真は修正後。

 
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☆  ☆  ☆  基本塗装  ☆  ☆  ☆

年越しモデリングとして始めた I-302P ですが、この時点ですでに成人の日を過ぎました。部品点数が少なくても Amodel の旧キットを舐めて掛かってはいけないんですね。 基本塗装、1回目のサフ吹きではあちこちにアラが出て修正に追われました。特に主翼付け根はパテの境界がくっきり出てしまってやり直しています。さらに2回目のサフ吹き中、ロケット排気口に刺していた竹串が緩んで落下するアクシデントが発生。幸い上面を下にして落ちたのでサフ塗膜への被害は最小限で済みましたが、その修正も含め合計3回サフを吹いてようやく下地が完成。

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続いて下面色を吹き付けます。カラーはクレオスの118番を基本に20番を混ぜて明度を上げさらに5番を少し加えて彩度を高めました。ソ連機の下面色はかなり青味が強いと言われているのでこれでもまだ足りないかも知れませんが、濃くし過ぎると今度は上面色との明度差が無くなるので難しいところです。

上面はいつもなら筆塗りに転じるのですが、この機体は外形がとてもスッキリしているので、これなら私の技能でもマスキングできるかも・・と考えてスプレー塗装にチャレンジしました。

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上の写真は上面色を吹き付け塗装中の1枚。二度と落とさない様に竹串の径を調整してしっかり嵌め込んでいます。また、写真では判り難いですが下面色部分の全域をマスキングテ-プで覆っています。自分なりに十分慎重にマスキングしたので期待したのですが、マスキングを剥がすと随分色々な場所で上面色が流れ込んでいました。やはりスプレ-塗装って難しいんですね。

ちなみに上面色カラーはこれも自己調色で、クレオスの 135+303+6 です。

 
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☆  ☆  ☆  仕上げ塗装  ☆  ☆  ☆

基本塗装で上面色が流れ込んだ箇所を2000番のペーパーでそっと削ったところ、プラ素地までは行きませんでしたが下面色は剥がれてサフが露出しました。そこで今度は上面色をマスキングして下面色を筆塗り。こういう細かいところは筆の方がしっくり来るので、自分は筆塗りモデラ-なんだなとつくづく実感しました。

以下、主だったパネルのトーン変え塗装とデカール貼りから墨入れまで、連続写真の要領でご覧ください。↓
 
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キット附属のデカールは発色が悪く、輪郭もよれていたのでストックから活きの良さそうなものをスカウトしました。墨入れは油絵の具の黒をペトロールで薄く溶いてパネルラインをなぞり、はみ出した部分をぼかしながら拭き取って行くと、比較的簡単に上の写真程度の仕上がりになります。ただし油絵の具はプラスチックに定着しないので、最後にもう一度トップコートを掛ける必要あり。上の写真の最下段はトップコートが終わってキャノピーのマスキングを剥がした状態です。


☆  ☆  ☆   完  成   ☆  ☆  ☆

最後に脚を取付けて完成! 脚柱と本体間の取り付けガイドはきちんとしているので特段問題はありません。 ただし1/72の常として細く華奢なので、仮組みであまりこね回していると折れます。些細なアンバランスは気にせず、素直に完成を楽しみましょう。

振り返れば着工から完成まで一月半。小粒なキットながら自分の工作技術をテストされている様な緊張感のある一作でした。自分では何とか合格点のつもりですが、真正面から見ると胴体の歪みが残っていてキットに申し訳ないです。

本人満足度 ★★★
 
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