TOPへ戻る La-150 制作記 BOXアート
展示場へ戻る
展示へ戻る ABИA CTEHД 1/72

BOXアートの画像をクリックすると、「私が出会ったキットたち」の、それぞれのページへジャンプします。パーツ画像やデカールはそちらをご参照下さい。 このページに戻るにはブラウザの戻るボタンを使って下さい。

人生初のバキュームキット、購入してからずっと気になっていましたが、ある日、作りたい気持ちが暴走してあとさき考えず作り始めました。果たしてどうなりますか・・。

 ☆  ☆  ☆  基 本 工 作  ☆  ☆  ☆

La-150_Making_01

このキットはバキュ-ムキットです。今まで一度も作ったことはないけれど、シ-トをじっと眺めていると境界がはっきりしていて筋彫りもちゃんとパネルラインに見えるし、真面目に取り組めば私でも完成させられそうに見えました。

バキュ-ムキットの作り方なんてろくに知らないのだけれど、作りたい一心でシ-トから切り出しました。本当ならデザインナイフか何かで切るんでしょうか? 私は普通の鋏でジョキジョキ切ってから耐水ペ-パ-で接着面の余分なプラを削り落としました。これは地味で大変な作業ですね。でも、これができなければバキュ-ムキットは作れません。やって見て分かりましたが、技能とか何とか言う前に、作りたいと思う気持ち=情熱 が大事です。私の場合、キットが小柄だったせいもあり、切り出し完了まで辛うじて情熱を保ち続けることができました。

La-150_Making_02

La-150_Making_03

シートからの切り出しの他、バキュームキットが普通のプラモデルと違う点は、部品がペラペラで弱いため補強が必要なことです。補強方法は簡単に言えばプラ板でリブを自作して要所要所に嵌め込んで行くのですが、このキットの場合は脚庫やコクピットのパーツがセットされていないので、補強材を兼ねてそれらのパーツを自作して行きます。特にコクピットは空中に浮くような位置に固定しなければならないため、エポキシパテをたっぷり使って、その接着力も動員しながらコクピットを固定および胴体を補強して行きます。

La-150_Making_04

La-150_Making_05

La-150_Making_06

La-150_Making_07

胴体左右を接着しました。ここまで来れば一段落の感があるものの、やはり普通のインジェクションキットに比べると外回りのディティ-ルが数段劣るので、出来る限り手を入れてやります。このキットで一番気になったのは機首のエアインティ-クでした。キットのままだと底が浅い上、外周の頂上1周がダレているので見るに堪えません。そこで、底部は内側から、外周は外側からエポキシパテを盛り付け、乾燥後ル-タ-で少しずつ丁寧に削って、上写真・右下の状態まで持って来ました。また機銃はこの段階で0.5mmステンレスパイプを差し込み、固定してあります。 

La-150_Making_08
 
主翼を取付けます。La-150は上翼構成で主翼は左右一体だから、模型の工作も楽・・なはずなんですが、そこはバキュームですから胴体と主翼の間にプラ板を何枚も挟んで相互の位置を調整しなければなりません。これはキットの取説にもそうする様に書かれているので、バキュームキットっていうのは本来そういうものなんだと思います。そうやって主翼の上下位置を決めてしっかり接着した後、胴体との接合部にできているすき間にはエポキシパテをたっぷり盛り付けて十分乾燥させます。 

La-150_Making_09

水平尾翼の工作。取付けガイドなど一切ないのでまず取付け基部に穴を開け、黄銅線が通る様にしておきます。続いて垂直尾翼の適切な位置に穴を開け、黄銅線を通してそこに左右から水平尾翼を差し込みます。 
 
La-150_Making_10

この水平尾翼の追加工作は単純で簡単な割には位置決め効果が大きく、また取付け強度も稼げるのでおすすめです。欠点としては穴開け(特に位置)を失敗すると全てパーになるので、そこは慎重に、ゆっくり時間を掛けて作業すると良いでしょう。  

La-150_Making_11

La-150_Making_12

La-150_making_13

基本工作の最終工程は外周表面の仕上げです。まず外周全体にサーフェーサーを筆塗りして乾燥後ペーパー掛けしました。すると表面が凹んでいる部分や細かいキズが付いた部分にサーフェーサーが残る形で平滑化されます。同じ原理で筋彫りも埋まって行くので、太過ぎる筋彫りはこの原理で浅くし、消えそうな筋彫りはエングレーバーで増し彫りして、パネルラインの強弱・バランスを整えて行きます。下写真2枚はキャノピーの取付けも終わり、基本工作が完了した状態。この先は塗装に入ります。この作例に限ったことではありませんが、ここまで積み上げて来た苦労が塗装でぶち壊しにならないことを祈るばかりです。

La-150_Making_14

La-150_Making_15


☆  ☆  ☆   塗 装   ☆  ☆  ☆

La-150_Making_16

まずは機体全面にダークグレー(クレオス37番)を吹き付けました。いつもなら缶スプレーのサーフェーサーで済ますのだけれど、今回は仕上げの機体色がライトグレーなので、色の重み出しを狙って、下地をダークグレーにしています。「黒立ち上げ」という手もありますが、1/72の小型機では効果が過大になると思ったので、ダークグレーにしておきました。

さて、1回目のダークグレーを吹いてみたら、あれだけ整えたはずの機体表面がまだあちこち凸凹していて要修整です。酷い場所は部分的に筆でタッチアップして個別にペーパー掛けし、結局ダークグレーを3回吹いてようやく写真・右上の状態に漕ぎ着けました。

下地さえきちんと出来上がれば後は楽です。表面のライトグレーはクレオスの73番をボトルストレートで吹き付けました。

続いて胴体後半下面の排気が当たる部分を黒に近いグレー(クレオス36番)で筆塗り。さらにインティークと排気口の内部をそれらしい色で筆塗りしてラッカーによる塗装を終了させ、デカールを貼って軽くトップコートを済ませます。これが右写真・下から2番目の状態。

塗装最後の勝負は油絵具による墨入れとフィルタリングです。油絵具の黒をペトロールという溶剤で薄く溶いてパネルラインに墨入れしました。またこの薄く溶いた油絵具を舵面など一定部分に塗ってその場所の色のトーンを変えることをフィルタリングと言います。また、墨入れ時に少しはみ出した絵具を生乾きの状態で筆でぼかして行くとまるで極細のエアブラシでも使ったかの様なウェザリング効果が出ます。右下の写真は油絵具工程が終わった状態。一つ前の写真と比べると随分違うでしょ?

La-150_Making_17
 La-150_Making_18
 La-150_Making_19
 La-150_making_20

☆  ☆  ☆   小 物   ☆  ☆  ☆

La-150_Making_101

La-150_Making_103

主脚柱仕上がりアップ

さて、問題の小物類を見て行きましょう。基本的に脚柱とかピト-管とか操縦桿とか、そういった棒状の細長いものをバキュ-ムパ-ツを切り出して組んで作るのはムリです。キットには脚柱パ-ツがセットされていたけれど、始めからあきらめて自作に走りました。

La-150_Making_102

脚柱は黄銅線を芯にして、それに電気工作で使う熱収縮チュ-ブを被せてそれらしい形にしています。オレオは細く切ったプラ板です。塗装すると一応脚柱らしく見えるのでほっとしました。その他自作した部品はピト-管,アンテナ柱,操縦桿,および前脚庫の底面です。前脚庫底面は左写真の左端中央付近にある羽子板の様な形をしたものがそれで、何だか必要以上にリアルになっちゃったけれど、完成後はあまり見えません。

 ☆  ☆  ☆   仕 上 げ   ☆  ☆  ☆

La-150_Making_21
 
La-150_Making_22

最後の工程は小物の取付けです。完成間際の楽しい工程ですが、失敗すると取り返しが付かないことも多いので、毎度緊張します。特に厄介だったのはLa系ジェットの特徴とも言える胴体から突き出した主脚で、位置や角度に気を遣いました。この作例でも完璧とは行かず、良く見ると左舷側の開脚角度がやや広過ぎて機体全体じんわりと左舷側に傾いていますが、言わなきゃ分からないレベルなんで(言っちゃいましたが)、自分では満足しました。

TOPへ戻る
展示場へ戻る
展示へ戻る

本人満足度
★★★★