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2017年後半に Avis の La-200 w/Korshun radar を制作。途中から姉妹キットの w/Toriy radar にも手を付けました。多くのパーツが w/Korshun radar と共通なので、この制作記で省略されている部分は w/Korshun radar の制作記をご参照ください。

☆  ☆  ☆    胴体に組み込むパーツの工作    ☆  ☆  ☆
 
Avis 1/72 La-200 with Korshun radar と、同 La-200 with Toriy radar は姉妹キットで、機首と脚が若干違う他は同じパーツが入っています。こういう味の近いキットを作る場合、片方を完成させてしまうともう一方を作る気力がなくなるので、2機で一組のセットと考えて同時完成を目指すことにしました。このやり方は以前、Aモデルの Il-40でやったことがあります。その時も片方が士の字になったところでもう一方を作り始め、両方士の字にしてから2機同時に塗装しました。当時は一定の成功を収めたので、今回も2匹目のドジョウを狙います。
 

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まずは胴体に収まるパーツから。上写真は機首のレドームとその周辺パーツです。白く塗ったレドームは鉛筆のキャップの様に中が空洞になっているので、重りとしてマイクロウェイト(小さな鉛球)を詰め込んでいます。他にもコクピットや脚庫などを作っていますが、それらは先行作例の La-200 with Korshun radar と同じなので写真は撮りませんでした。
 
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胴体に組み込むパーツが出来上がりました。機首のレドームとその周辺パーツ以外はKorshun radar のキットと同じです。前回組んだ記憶が消えないうちに作っているので同じ失敗を繰り返すことはなく、順調に組み上がりました。ただし、順調と言っても細々(こまごま)とした作業の工数は変わりません。特に脚庫内のリブの取付け作業など、相応の時間が掛かりました。

 

☆  ☆  ☆    胴体の工作    ☆  ☆  ☆

続いて胴体本体に取り掛かります。まずは胴体パーツの手入れから。

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パーツ状態のうちに胴体の筋彫りを増し彫りします。これも Korshun radar のキットと同じ手順です。上写真で所々グレーの塗料でタッチアップしているのは増し彫りに使ったケガキ針が勢い余ってはみ出した部分の埋め戻し。機首部分、1周幅広く塗ってあるのはヒケの修正です。

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胴体の増し彫りが終わったら内部パーツを右舷側に集中して取付けて行きます。

内部パーツが落ち着いたらいよいよ左右胴体を接着しますが、機首以外、Korshun radar のキットと全く同じはずなのに、心なし胴体中央の閉まりが悪かったのでゴムをきつめに締めました。


胴体を閉じたら各部の修正に入ります。

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まずは機首から。空気取入れ口の外周リップは胴体より一回り小さくて段差ができます。付け根に塗料を盛り、乾燥後にペーパー掛けし、主に胴体側を削って段差を均しました。

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続いて前脚庫ですが、ここは Korshun radar 型と同じすき間ができたので、同じ方法(エポキシパテ)ですき間を埋めました。姉妹キットなので要修正箇所も修正方法も同じです。
 
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・・と思いきや、中央排気口付近で胴体が閉まりません。 Korshun radar 型ではピッタリ閉まったのですが・・この辺の部品構成は Korshun radar 型と全く同じなんだけれど、パーツに歪みが有る様です。この時点で完全に固まっていて、すき間周辺を左右から押してもすき間はビクともしません。仕方がないのでエポキシパテで埋めました。
 
 
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次にコクピット周り。作業内容は Korshun radar 型のときの繰り返しになるので簡単に書きます。作業のポイントは計器板の自作と、後部隔壁と胴体間のアーチ型のすき間を埋めることです。上写真、上下2段セットで左端が作業前、右端が作業後です。キャノピーに覆われる部分をグレーで塗装し、各所にすき間や段差がないことを確認します。
 
 
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続いて計器板にデカールを貼り、別途塗装しておいたシートと操縦桿を取付けてコクピットが完成。この段階でキャノピーも取り付けます。Korshun radar 型と同様にキャノピーと胴体間にできるわずかなすき間を、わざと溶剤を飛ばしてドロドロにしたグレーの塗料で埋め、乾燥後ペーパー掛けして均しました。
 

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あとはパーツ分割の関係で接合段差ができる左舷垂直尾翼に手を入れて修正し、その修正で消えた筋彫りを彫り直すと、めでたく胴体が完成しました。


☆  ☆  ☆   翼の工作   ☆  ☆  ☆

翼は主翼、水平尾翼とも Korshun radar 型と同一なので写真は撮りませんでした。翼の工作をご覧になりたい方は恐れ入りますが Korshun radar 型の制作記をご参照ください。


☆  ☆  ☆    士の字化工作    ☆  ☆  ☆

胴体と翼が個別に仕上がったら、いよいよそれらを合体させて士の字にします。

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上写真・左は胴体と翼4枚の記念撮影です。この状態からまずは主翼を胴体に接着して行きます。主翼と胴体間には若干の取付けガイドはあるものの、下反角が決まるほどのガイド性はありません。そこで接着剤が固まるまでの間、手近にある機材で翼端を支えて下反角が左右均等にかつ適切な角度になる様に保持します。(上写真・右)

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主翼付け根、接合部の修正も Korshun radar 型と全く同じで、溶きパテにサーフェーサーを混ぜたものを塗って乾燥後ペーパー掛けします。個体差かと思いますが、この作例では後半部の段差が Korshun radar 型よりも強く出たので、部分的にタミヤパテ(ホワイト)を使いました。

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Korshun radar 型では増槽は付けませんでしたが、この Toriy radar 型ではできるだけ差を出したいので増槽を付けました。増槽パーツは上下2分割になっているので接着後丹念に磨いて接合線を消し、サフを掛けて様子を見ます。OKを確認して主翼に接着し、さらに主翼との接合部に溶きパテ+サーフェーサーを塗って均します。 

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士の字化の最後は水平尾翼の取付け。接着して基部のすき間を埋めるオーソドックスな工程ですが、水平・垂直尾翼ともエッヂが薄いので破損しない様に注意が必要です。特に下面の基部を修正する時には機体を裏返して置くので、垂直尾翼の後ろ頂部をマスキングテープで保護しました。無事水平尾翼が付いたところで士の字化工作完了。


☆  ☆  ☆    小 物    ☆  ☆  ☆

士の字になったら小物を片付けるのは私が自分のスタイルとして守っている制作手順です。本体の塗装が済むと完成が見えて来ますが、そのときまだ小物が手付かずだと気持ちが萎えてしまうので、本体の塗装の前に必ず小物を仕上げる様にしています。

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La-200 with Toriy radar の小物。脚パーツは前輪がタイヤを含め4分割、主脚柱が3分割されていて、1/72としては十分な精密感があります。主脚のタイヤは片脚2輪ずつのダブルタイヤで、Korshun radar 型のシングルタイヤとは違います。それに伴って主脚柱の形も微妙に違っていますが、キットではそういう細かな差異がきちんと再現されていて好感が持てます。ところがこの主脚柱が、長さが不足していて後々大変苦労することになるのですが、この段階ではまだ全く気付いていません。

 

☆  ☆  ☆    基本塗装    ☆  ☆  ☆

工程はいよいよ本格的な塗装に入ります。

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まずキャノピーや脚庫などをマスキングしました。中でも主脚庫は胴体下面に大きく開口していてマスキングテープでは十分にマスクできません。そこで今回は練り消しゴムを使って見ました。練り消しゴムは伸びが良く、弱い粘着性もあって脚庫などの凹部を埋めるのに適しています。

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続いて全体にサフを吹き付けて下地を整えます。銀塗装は何と言っても下地が命なので、慎重に吹き付けながらアラを探し、アラがあったら修正してまた吹き付ける・・という作業を3回繰り返してやっと「下地完」としました。

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下地の上に全面に銀を吹き付けます。使った塗料はクレオスの8番銀、昔ながらのオーソドックスな銀です。銀色はデリケートな色で、サフではOKでも銀を乗せると隠れていたアラが出て来ることもあって注意が必要です。今回もサフ段階では隠れていた左右胴体の接合線が銀吹き後に所々浮き出て来ました。これは後工程でパネル毎に銀のトーンを塗り分ける際に個別に対応することにします。


☆  ☆  ☆    仕上げ塗装    ☆  ☆  ☆

仕上げ塗装の第一段階はパネル毎の銀トーン塗り分けです。この作業には慣れているつもりでしたが、今回はつまずきました。そのつまずきとは、サフ掛け+全面銀吹付けまでは均一に仕上がっていた表面が、塗り分け塗装後に凸凹して来たことです。塗り分けは各パネルの周囲をマスキングしてトーンの違う銀を筆塗りするのですが、どうもその塗料にリターダを入れ過ぎた様で、全面銀と下地のサフまで流動化して、隠れていたプラ素地のアラが浮き出したみたいです。

右は機首上面ですが、ここはヒケの修正痕がくっきり出てしまって、一度プラ素地が出るまで削り戻し、溶きパテを盛り直しました。それでも銀を塗るたびに下地のムラが浮き出して、納得できるレベルに仕上がるまで4回やり直しています。

さらに一度は消えていた胴体左右の接合線がゾンビの様に浮き出して来て、その対応にも追われました。

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銀塗料は隠蔽力が弱いので、とにかく下地を整えることが大事です。それは分かっていて今回もいつも通り下地を作ったつもりだったのですが、上に挙げたのと同様の修正があちこちに入って大変でした。でも5日掛けてどうにか塗り分け作業完了。これで一応ラッカーでの塗装は終わり、この後はエナメルと油彩による仕上げ塗装に進みます。

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デカール貼って墨入れしてトップコートしました。上写真2枚はトップコート後にマスキングを剥がした状態です。キャノピーと脚庫のマスキングはまずまず上手く行っていて、事後修正も最小限で済みました。特に脚庫の練り消しゴムによるマスキングは今回初体験だったけれど、上手く行って良かったです。今後は凹部のマスキングは練り消しゴムを標準にしようと思います。


☆  ☆  ☆    完  成    ☆  ☆  ☆

最終工程の小物付けは色々と難航したのですが、何と言っても苦労したのは主脚の取付けと補強です。苦労の詳細は Korshun radar 型の制作記をご参照いただきたいのですが、この Toriy radar 型はその苦労の後にとんでもない落とし穴が待っていました。

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落とし穴とは尾部が沈み過ぎていることです。左の写真、何とかタイヤだけで接地して立っているものの、明らかに尾部が沈んで胴体が傾いています。増槽は地面スレスレで、もし実機がこうだったら滑走中に増槽を地面にこすって爆発したでしょう。 
 

これは納得できません。こうなった原因は主脚が短くて、地上高が足りないからです。キットが悪いと言ってしまうのは簡単だけど、そういうキットの弱点を見抜いて修正して作ってこそ一人前のモデラーだから、これは自分の注意不足でした。ここは一念発起して、脚の修正に挑みます。

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まずは今まで付いていた主脚を取り外します。一度付けた脚を外すなんて滅多にないので、ここは普段付けている脚がどの程度の強さで付いているのかを確認できるチャンスです。結果は予想以上に簡単に取れてしまってちょっとショックでした。て言うかほとんど接着剤が効いていませんでした。これからは脚の取付けは意識してたっぷり接着剤を付け、がっしり取付けなければいけませんね。で、外した脚柱の基部にプラ板を継ぎ足してゲタを履かせます。ゲタの高さは仮組みしながら徐々に増やして適正値を探ったところ、最終的に4.5mmとなりました。  
 
 
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上写真左・縦2枚は修正前の脚が短く機尾が沈んだ状態の証拠写真です。右側・縦2枚が修正後。機尾が上がり、胴体がほぼ水平になりました。下側の脚部のアップ写真を左右で比べると、タイヤの位置が大分胴体から離れたのが分かると思います。 
 
 
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最後に実機写真と同じアングルで写真を撮って脚の長さが正しいかチェックします。結果は上写真・右のごとく、左側の実機写真と比べてまずまず良い線行っているので満足しました。これにて Avis 1/72 La-200 with Toriy radar 完成です。

本人満足度 ★★★★



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