時は2007年、所属している模型サ-クルの展示会に向け「第二次大戦ソ連航空隊エ-ス」と題して1/72を何機か作ることにしました。手元にひっぱり出した数個のキットのうち、KP1/72La-7は、第二次大戦中のソ連トップエ-ス「I.N.コジェドゥ-ブ」の乗機と判明。ここはひとつトップエ-スに敬意を表して一番手で作らせていただきます。
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このKPのLa-7はなんと言っても部品点数が少ないのであっと言う間に形になりそうなのが良いですね。胴体と主翼に機首のカウリング+水平尾翼のわずか7パーツで士の字。残りはプロペラと脚とキャノピーって言うんだから気楽です。本来1/72の単発機はこのくらいで良いと思います。 |

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垂直尾翼頂部のアンテナ線突起はキットのままだとバリ状態なので、瞬着で肉盛りして乾燥後削り出し成形しました。次にコクピットですが、キットのパーツはシートのみだったので床板と計器板土台をプラ板で自作。操縦桿はストックからICM1/72Yak-9の余りを使用します。 |
さらに計器板はエデュアルド1/72La-7の塗装済みエッチングパ-ツを略奪して土台のプラ板に貼り付け、頂部にはランナ-を削って作った照準器を取付けます。ここまでの工作はとても順調でした。胴体左右の合いも良く、わずかな段差は溶きパテにサ-フェ-サ-を混ぜたものをひと塗りして乾燥後さっとペ-パ-掛けすればOK。 |
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若干問題があるのは主翼と胴体間の接合。平面的にはピッタリ合いますが、翼の厚み方向で胴体側フィレットとの間に段差ができます。しかしこれも瞬着で荒く埋めた後、溶きパテ+サーフェーサーで仕上げれば問題なし。とりあえず十の字到達です。 |
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このキットの難所はキャノピ-です。KPのキットはほとんど例外なく、キャノピ-と胴体が合いません。このLa-7はまだ良い方ですが、それでもキャノピ-後半で胴体との間にすき間と段差ができました。すき間はわざと溶剤を飛ばしてどろどろにしたグレ-の塗料で埋めます。ここで溶きパテを使うと内側にパテの白色が残るのでグレ-塗料がお奨め。段差については透明部品だろうが何だろうがかまわずガリガリペ-パ-掛けします。当然曇りますがこうしないと胴体とのラインがつながらないのでしかたありません。バフで仕上げてコンパウンドで磨いてさらにクリア-を塗ると元通りの透明になるはずだったんですが、やっぱりまだ少し曇ってますね、とほほ・・。 |
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さて、このキットで気になるのは翼下面中央部が下に出過ぎることで、デフォルトでは右写真点線の様に下腹が垂れてしまいます。機首から翼下面にかけてすっきり一直線になっているのがLa系の特徴なので、ここは一念発起して翼下面中央部を削って修正します。これが済めばオイルク-ラ-と水平尾翼を取付けて念願の士の字。 |
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士の字になったので小物に掛かります。この、「士の字になったら小物・・」というのは自分で自分に科しているMyルールです。こうしないといつまでも小物が残るから。このLa-7の小物たちはとても素直で、細すぎて強度が弱いこともなく、バリ取り,塗装とも特段苦労はしませんでした。しかもスケール相応の精密感があるので他のキットにも見習ってほしいほどです。 |
本体の方はいよいよ本格的な塗装に入ります。まず全体に缶スプレーのサーフェーサーを掛けたところ、目立ったアラはなく一安心です。普通なら次は下面色を吹き付けますが、この作例の場合は機首の赤い幾何学模様と尾翼の黄色を塗装で描く必要があるので、サフが終わったこの段階でこれらの色を置いて行きます。赤や黄色といった原色は、機体色の上に塗るとどうしても発色が悪くなりますから。 |
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機首の赤と尾翼の黄色が完全に乾いたらマスキングして下面色を吹きつけます。使ったのはクレオスの20番。ソ連機の下面色は20番よりはるかに青みの強い色らしいのですが、昔から20番を使い慣れているせいか、どうも他の色で塗る気になりません。実機の鮮明なカラー写真でも見れば納得するんでしょうが、その日が来るまでもうしばらくクレオスの20番で行くつもりです。
続いて上面塗装ですが、『下面をマスキングするのが面倒だから』という何とも軟弱な理由で手塗りです。『手塗りは難しい』と敬遠されるモデラーさんも多い様ですが、薄めの塗料で2度塗りすればムラは軽減されるし、エナメルや油彩でウェザリングしてトップコートを施せば最終的にムラはほとんど消えます。私に言わせれば微妙な曲面をきちんとマスキングする方がはるかに難しいと思うのですが、この辺はモデラーによって意見が分かれる所ですね。

上の画像はラッカー系塗料(クレオスMr.カラー)による基本塗装が終わった状態。この後主に油彩で動翼のメリハリや排気煙などを表現し、デカールを貼ってトップコートしたのですが、このころになると展示会の日程が迫って来て、同時に進めていた他キットをあきらめてこのLa-7だけに集中することになり、途中工程を撮影している余裕がありませんでした。どうも済みません。m(_
_)m
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最後の難関は尾翼のデカール。方向舵付け根の溝に沿ってカッターで切り込みを入れたところ、バリバリ破れてしまいました。こういう場合はあらかじめ切ったデカールを貼らなきゃいけないんですね。見かねた先輩モデラーさんからデカールのご支援をいただき、破れたデカールの上に貼り重ねてどうにか修復しました。 |
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最終工作=脚とアンテナ類の取り付け。この作業が終わったのは展示会前日の夜で、正にギリギリでした。脚パーツと本体の合いは良好で、土壇場で変な苦労をせずに済んだので、キットには感謝しています。ありがとうKP。いつの日かまた別のキットで会いましょう!
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今回は展示会に複数出展しようと欲を出したため、工期が長かった(5月〜11月)割にはこのキットと向き合う時間は短いものでした。これ以上何ができたわけでもないのですが、今ひとつキットとの対話が不十分の様な気がして申し訳ないです。
本人満足度 ★★★ |
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