TOPへ戻る LaGG-3 type66 制作記 BOXアート
展示場へ戻る
展示へ戻る DAKO 1/72

BOXアートの画像をクリックすると、「私が出会ったキットたち」の、それぞれのページへジャンプします。パーツ画像やデカールはそちらをご参照下さい。 このページに戻るにはブラウザの戻るボタンを使って下さい。

La-5/7は過去作完成済のところ、2018年の前半にLa-9/11が完成したことによって、あとLaGG-3を作ればラボーチキンのレシプロ戦闘機は制覇という状態になりました。そのモチベーションを利用してすかさず制作したのがこの作例です。

☆  ☆  ☆   胴 体 の 工 作   ☆  ☆  ☆
 
1/72LaGG-3のキットはサブタイプ違いを含め TOKO/RODEN:2キット、DAKO:2キットの在庫が有った中、DAKOのType66に白羽の矢を立てました。このページの右上にも小さく出していますが、キットのBOXアートは8機撃墜のエ−ス,Y.シチーポフ中尉の乗機で、この塗装とマーキングがとてもカッコイイのでこれに決めました。
 

mk_lagg3_66_dk72_01


まずはセオリー通りコクピットから始めます。コクピット関連のパーツは左画像の7点で、1/72レシプロ機として十分な内容です。各部品の出来も上々で文句有りません。特に操縦桿の上端が実機通り輪になっていたり、照準器がきちんとパーツ化されているのは有難いですね。
 
mk_lagg3_66_dk72_02a
mk_lagg3_66_dk72_02b 
 
mk_lagg3_66_dk72_03
 

胴体パーツ内側のコクピット部にはいかにもそれらしい風情の良いモールドが施されています。このモールドを活かしてグレーの濃淡で塗り分け、ほんの少し白や赤でアクセントを付けた上、墨入れして仕上げました。そこにコクピットパーツを組み込むと、床板や後部隔壁がピタピタと気持ちよく胴体に収まって行きます。DAKOのこのキット、もしかしたら名作かも知れません。

mk_lagg3_66_dk72_04 mk_lagg3_66_dk72_05
 mk_lagg3_66_dk72_06
 
胴体左右を接着。胴体パーツ同士の取付けガイドは有りませんが合いは良く、機首から機尾まで上下面とも段差なくピッタリ閉まるので気持ちが良いです。ただコクピット前縁・計器板の上は写真右上のごとく不整合が出るので、細く切ったプラ板を貼ってパテ埋め修正しました。尚、後方の小窓は胴体接着前にコクピット内壁の塗装が済んだ段階で接着しておきます。

 

☆  ☆  ☆    翼の工作 と 士の字化    ☆  ☆  ☆

胴体が出来たら次は翼。このLaGG-3は多くのWWU単発レシプロ戦闘機がそうである様にとても常識的な形状なので、模型の工作も自然な流れです。
 
mk_lagg3_66_dk72_07 
 
 
mk_lagg3_66_dk72_08
 
 
主翼下面パーツにラジエター内部の天井板と隔壁を仕込んだら左右の上面パーツを接着し、右翼前縁には着陸灯の透明パーツを取付けます。各パーツは外周・厚み方向とも合いが良く、接着後の修正も最小限で済むので作っていてストレスを感じません。水平尾翼は上下一体なのでランナーから切り出してバリ取りすればOK。ただし左右パーツの見分けが付かないのでランナーから切る前にマジックでパーツ番号を書いておきました。DAKOのキットを作るのはこれが初めてなんだけれど、今まで作ったどのメーカーのキットよりも順調に進んでいます。この先もこんな調子でサクサク進むと良いなぁ・・。 
 

mk_lagg3_66_dk72_09

mk_lagg3_66_dk72_10a
 mk_lagg3_66_dk72_10b

ところがどっこい、そうは問屋は降ろしません。胴体と主翼を合体させる段になって翼が胴体に嵌まらず、問題発生です。原因は上左図のごとく胴体フィレットと翼上面が干渉しているためと判明。どちらかを削ることになりますが、この作例ではすでに主翼の上下を接着してしまったため、胴体フィレット部を削って主翼を嵌め込みました。すると当然フィレット端面と翼上面間に段差が出来ます。ここはフィレットは削り、翼には溶きパテと瞬着を盛って平にならしました。直前まで順調だっただけに、このトラブルはちょっと残念です。やっぱりDAKOはダメなタコなのか?

mk_lagg3_66_dk72_11

mk_lagg3_66_dk72_12
 
続いてキャノピーを塗装して胴体に取付けます。パーツは風防と天窓に分かれているので風防だけ胴体に接着して天窓は着脱可能にしました。透明パーツと胴体の合いはまずまず良好ですがそのままだと風防の基部と胴体間に谷間状の窪みが残るので、作例では塗料を塗り込んで埋めました。また、天窓の裾幅がちょっと広くて胴体からはみ出すけれど、私としてはまあ許容範囲だと思います。
 
 
mk_lagg3_66_dk72_13 
 
 
水平尾翼を取り付けてめでたく士の字です。この水平尾翼も胴体との間に段差が出来ました。DAKOのこのキット、どうも翼と胴体の合わせに関して詰めが甘い様です。

 

☆  ☆  ☆    小  物    ☆  ☆  ☆

士の字になったら小物を片付けるのは私が自分のスタイルとして守っている制作手順です。本体の塗装が済むと完成が見えて来ますが、そのときまだ小物が手付かずだと気持ちが萎えてしまうので、本体の塗装の前に必ず小物を仕上げる様にしています。
 
mk_lagg3_66_dk72_14 

mk_lagg3_66_dk72_15
 
 
このキットの小物は切れが良くディティールも細かくて上の部です。ただ主脚の引き込み支柱はとても小さく細いのでランナーから切り出すのも一苦労です。この支柱を洗濯ばさみに挟んで塗装していたら2つあるうちの片方がピンッ!と弾けて飛んで行ってしまいました。2時間探しましたが見つからず、これ以上は時間の無駄と諦めて自作に踏み切ります。上写真左の上が自作、下がオリジナル。始めは「こんな小さいパーツ、自作なんてできないよ〜!」と思って必死に探したのですが、意を決して作り始めると0.3mmピアノ線と極細ステンレスパイプで何とかなりました。その他の小物は上写真右のごとく異常なく塗装完了です。

 

☆  ☆  ☆   基 本 塗 装   ☆  ☆  ☆

小物が片付いたら本体に戻り、下地塗装を始めます。

mk_lagg3_66_dk72_16

mk_lagg3_66_dk72_17

まずは透明部分のマスキングから。これが済まないと本格的な塗装に入れません。上写真右はサフを吹き終わった状態。今回は継ぎ目消しなど、基本工作のアラは出ませんでしたが、胴体側面に微妙な凹凸が出て対応に追われました。

mk_lagg3_66_dk72_18

mk_lagg3_66_dk72_19

続いてサフの上にシャドーを吹きます。口径0.2mmのエアブラシを使っているのにこんな太いシャドーしか引けないなんて、全く宝の持ち腐れですね。何年もやっていればそのうち上手くなるのでしょうか? そんなヘロヘロのシャドーでも下面のライトブルーを掛けて見ると結構イイ雰囲気が出たのでちょっと嬉しくなりました。やはりシャドー吹きはやらないよりやった方が良い様です。

mk_lagg3_66_dk72_20

mk_lagg3_66_dk72_21

上面の本塗装、まずは下面をマスキングして1色目のライトグレーを全面に吹き付け。グレーは隠蔽力が強いと見えてこの段階で下地のシャドーはほとんど見えなくなりました。さて2色目のダークグレーをどうやって塗るか。せっかくエアブラシを買ったのだからフリーハンドでの直吹きも考えたけれど、シャドー吹きの結果を見れば私にそんな技能が無いのは明白です。ここは素直に迷彩パターンのマスキングで行きます。
 
mk_lagg3_66_dk72_22

mk_lagg3_66_dk72_23
 
 
色の境界をぼかしたかったので、マスクのエッジを少し浮かせました。これは大変な作業だったからそれに見合う良い結果を期待したのですが、実際の結果は上写真左のごとく失敗。模型雑誌に書いてある通りにやってもそうそう上手く行きません。仕方がないのでエアブラシのフリーハンドでダークグレーを直吹きして修正しました。今度は拡大鏡を使って慎重にやったので、シャドー吹きに比べれば細く吹けたけれどあちこちはみ出してヘロヘロ。そこでエアブラシの塗料をライトグレーに変えて吹き戻し。それでもまだ納得できない所が有って再度ダークグレーを吹き戻し。それを4〜5回繰り返したかなぁ。こんな時エアブラシがもう1本有れば効率良く作業できるんでしょうね。
 
 

 
 
ようやくエアブラシの作業が終わりました。上写真左が私の記念すべきエアブラシ迷彩塗り分け第1号です。1/72にしてはボケ足が荒いですがこれが今の私の限界だし、一応自分では満足したのでこれで良いことにさせてください。最後に細部を塗装して今回の締めとします。具体的には垂直尾翼上端の白帯、動翼とパネルのトーン変え、主翼前縁上下色の境界を整える、脚収納庫の塗装、などです。上写真右が細部塗装後。これでラッカーによる塗装は全て終わり、後はエナメルと油彩を使って墨入れとウェザリングに進みます。

 

☆  ☆  ☆   仕 上 げ 塗 装 〜 完 成   ☆  ☆  ☆

残る工程は仕上げ塗装と小物付け。このうち仕上げ塗装は ウェザリング、墨入れ、デカール貼り、および トップコート の4段階からなります。
 

 
 
まずはウェザリングと墨入れ。ウェザリングはエナメルで、墨入れは油彩でやりました。上写真左が Before、右が After。このキットの筋彫りはシャープで、細いけれど深さが有るため、墨入れがとても上手く行きました。こういう事って大事だと思います。
 

mk_lagg3_66_dk72_28

mk_lagg3_66_dk72_29

エナメルと油彩はプラスチックに対して定着しないので、私はウェザリングと墨入れが終わったらとりあえず軽くトップコートを掛ける様にしています。デカールを貼った後でもう一回仕上げのトップコートを掛けるので二度手間と言えばその通りだけれど、少しでも良い作品にするためには手間を惜しんではダメだと自分に言い聞かせています。

さて、大詰めのデカール貼りで大事件が起きました。この作例の目玉である赤いハートにライオンの横顔のマーク、当然キット付属のデカールを貼りましたが、定着が弱くて剥がれてしまいました。貼り付け時にマークセッターを使い、乾燥後に仕上げのトップコートも掛けたので、普通ならちょっとやそっとでは取れないはずです。しかし、キャノピーのマスキングを剥がす際にピンセットの先端がすべってちょっとデカールを引っ掛けたところ、ベリッと剥がれてしまったんです。慌ててデカールの破片を繋ぎ合わせて修復しようとしたけれど、やればやるほどデカールが粉々に砕けて行ってもうどうにもならなくなりました。しかたがないので手描きすることにしました。

mk_lagg3_66_dk72_30

左がデカール、右が手描きです。実機のイラストを見ながら5色のエナメルでチマチマ描きました。始めは自信が無かったけれど、やっているうちに慣れて来て、結局思った以上に上手く出来ました。
 
mk_lagg3_66_dk72_31
   

最後は小物を取付けて完成。主脚カバーが長過ぎて急遽削った以外は特段問題なく組み上がりました。終盤でデカールのアクシデントは有ったものの、無事完成できて良かったです。DAKOのこのキット、問題点が無いわけではないけれど結構作り易かったし、実機の雰囲気も良く出ていてお勧めですね。上面のグレー2色は自分で調色しましたが、イメージ通りの色に出来たので満足度高めです。

本人満足度 ★★★★



TOPへ戻る
展示場へ戻る
展示へ戻る